オークダイニングテーブル

オークダイニングテーブル

工房オープン日にお越しいただき、最初のご相談をいただいてから約4か月、何度となくプランのやり取りをしてきた。

新築中のご自宅にご購入予定のウェグナーの椅子に合うダイニングテーブルを検討しているとのご相談から、椅子とのデザイン的、機能的な相性、ご家族の生活スタイルの中でのダイニングの役割など様々なことを考えながらプランを詰めてきた。

時間を置きながらゆっくりとしたペースでやり取りを重ねるにつれて、だんだんお客様が目指しているものと僕たちのいいと思うものが重なり始めてきた感覚があった。

オークダイニングテーブル オークダイニングテーブル

お引越しの日の夕方、納品に伺った時、ご購入されたアンティークのウェグナーCH23をはじめ、お持ちの家具がすでに搬入されていた。無垢の木材をふんだんに使った温かい雰囲気の家、オーク材を中心としたシンプルなインテリアにお客様の日常に対する丁寧なこだわりを感じる。ダイニングテーブルはその空間に、ウェグナーCH23に、そしてお客様の雰囲気にとてもよく合って見えた。家具を納品し、それが工房にあった時よりも生き生きと見えた時、とても嬉しい気持ちになる。

takashi

メープルダイニングテーブル

以前製作させていただいた家具にご満足いただき、さらなる期待を込めてご注文いただいたダイニングテーブル。

必ず超えなければいけないそのご期待にプレッシャーを感じつつも、ご家族の日常の風景を想像しながら、楽しい製作の時間だった。

テラスから大きなガラス戸を通して、長さ2mという大きなサイズのダイニングテーブル全体が真横から見える白を基調としたダイニング空間。サイズ感を活かしたシンプル且つ重厚、でも重過ぎないシルエットの綺麗なテーブルにしたかった。細かい寸法バランスが重要になってくる。製作に入る前に1/5スケールの模型を作って最終確認したところ、図面上で見ていたよりも天板が厚く脚が少し太い印象を受けた。天板を2mm薄く、脚を4mm細く修正して製作に入った。

天板の木取りは、いつもながらに気を使う工程だった。このテーブルに合う木目のイメージははっきりしていた。思うようにいかないこともあり、何度か材料を追加し、材料屋さんの倉庫に自分でも見に行った。最終的にはイメージ通りの良い天板に仕上げることができた。

メープル ダイニングテーブル メープル ダイニングテーブル

お客様には「期待以上だった。」とのお言葉をいただき、本当に喜んでいただいた。

だけど、、もう一つ課題は残っている。。

3年も前から奥様に頼まれている木のトレーをまだ作っていない。

何事にもこだわりが強く、いいものをたくさん見てきていることも知っている。それなのに気に入ったものがないという奥様のご要望に応えられる自信が持てないまま、試作をしては止まり、少し考えてまた止まり、気にはなりつつも延ばし延ばしにしてきたけれど、テーブルができた今、もう先延ばしにするわけにもいかない。そこに合うトレーを6枚作ってはじめて完結する。日々使うもの、奇抜なものはいらない。普通なんだけど感じのいいものにしたい。

難題は続く。。

takashi

打ち合わせ

久し振りに暖かい気持ちのよい日。

今日の午後は家具の打ち合わせをした。私たちとほぼ同い年のご夫婦と3歳の娘さん。

お客様との始まりは夏だった。

今年の夏、工房の外壁を塗り替えた。

暑くなる前にと、早朝から塗り始め、終わったのが9時過ぎだっただろうか。。。

「プルルルルル。プルルルルル。」工房の電話が鳴った。いつもなら日曜日の午前中に工房にいることなんてないのだけれども。

その日の午後、工房にお越しいただき家具のご相談をいただいた。

それから、4か月。

数回の打ち合わせで、お客様のイメージしているものや好みなど共有できることも多くなり、

来年いよいよ製作へと進むことになった。

顔を合わせてお話をすると、見えてくることがたくさんある。

対話の中でより良い案が出てくることもたくんさんある。

これからの製作が楽しみです。

kumiko

庭に書庫のある家 母屋リフォーム

庭に書庫のある家、母屋リフォーム工事に伴い造作家具の製作を担当させていただいた。

2年前の書庫の新築工事に引き続き、設計は植本計画デザイン一級建築士事務所。設計段階の打ち合わせから参加させていただき、お施主様のご要望、設計の意図、施工会社、家具製作それぞれの立場からの意見をお話ししてのスタートとなった。
                                                            
家具工事として今回担当させていただいたのは、キッチン、リビング壁面本棚、玄関収納、レコード棚、勝手口収納。お施主様がお住まいのままの工事だったので、まずはキッチンまわりから仕上げることとなり、大工さんが古いキッチンを解体し、新しく壁を立てたりという建築工事と同時進行で新しいキッチンと吊り収納の製作は始まった。壁ができた後に実測の上、製作という場合と違い、現場の大工さんと家具製作がコミュニケーションをとりながら、同じ目的を持って進まなければ綺麗に収めることはできない。その意味では今までにも何度か一緒に仕事をしている現場監督の戸谷さん、大工の菊地さんにとても助けられた。製作途中にも度々現場に行っては、戸谷さんや菊池さんと打ち合わせをしながら、壁の位置や厚みを出来上がってきた家具の寸法に合わせて調整してもらったり、家具の寸法、収め方を現場の寸法に合わせて変更したり。現場と工房、それぞれの場所で同じ方向に向かって進めることができた。
                                                             
オーダーキッチン
                                                            
オーダーキッチン
                                                            
古いキッチンとは形、配置も変わり、新しいものはL型。天板は真っ白の人造大理石、本体は奥様のご要望から青の塗装仕上げ、両面使いの部分のお部屋側は壁と合わせたシナ材で製作した。上部は全て開き戸の収納。
                                                            
リビング壁面には、真向かいの庭に見えるガラス張りの書庫との対比がわくわくするような、壁一面の大きな本棚。扉は部屋の壁からの流れがつながるように床から高さいっぱいまでのシナの扉が8枚。壁とのつながりを大切にするためにハンドルをつけず、プッシュオープンとした。
                                                            
壁面本棚
                                                            
壁面本棚
                                                            
玄関には長さ4mを超える収納。
                                                            
オーダー下駄箱 玄関収納
                                                            
ワークスペースにはLPレコードのサイズに合わせた吊り収納。ここからも向かいには庭の書庫が見えている。
                                                            
吊り収納
                                                            
最後に勝手口収納。床から天井まで一杯の高さで収納量を確保しつつ、勝手口からの動線を妨げないように台形で製作した。
                                                            
勝手口収納
                                                            
勝手口収納
                                                            
建築と家具、そして庭の書庫、全てが一体となり、お施主様ご夫婦の特徴あるライフスタイルにぴったりと合った住空間に仕上がったと思う。これからキッチンに食器や調味料、調理器具が置かれ、本棚には本やCDがびっしりと入り、LPレコードが並ぶ。リビングにはご夫婦と小さな犬が行き来し、大きな窓の外には庭の書庫の本が見えている。建築も家具も綺麗に仕上がった瞬間が完成ではなく、物が入り、生活の場になって始めて生きてくるものだと思う。2年以上かけてゆっくり作り上げられてきたこの家のそんな姿を想像するととてもわくわくする。
                                                           
takashi

キャビネット

チェリー材のキャビネットを製作しました。

今回は本体と引戸の扉に『ロータリー』の突板材を使用しました。

ロータリーは丸太を回転させながらスライスするため木目が繋がっているのが特徴です。

3x8の突き板合板の木目とにらめっこ。この家具の顔になる扉にはどこの部分を使用するかを考えながら歩留まりのいいように割付していきます。ロータリーの突き板を使うのは今回が初めてだったので、いつもとはまた違った気持ちで製作しました。

チェリー材は経年変化で色がどんどん濃くなる樹種です。もっと深く渋い色になってくると思います。

キャビネット

シンプルなだけに、ミリ単位で全ての寸法を細かく検討したキャビネット。

とても魅力のある「アメリカンチェリー材のロータリー」で家具製作の機会を頂けたこと、とても感謝しています。

今年は猛暑になりそうですが(既に工房は38℃になります。。。)、冬を想像しながらこの夏も乗り切ろうと思います。

kumiko

チェリー材のベッド

チェリー材のベッドを納品した。
春のよく晴れた日。心地よい風が部屋の中に吹き込み、完成したての家具を設置。
          ベッド
シンプルだけれど、一つ一つ打ち合わせを重ね、生まれてきた寸法や形。
いつもお客様とは色々なお話をしながら、家具のことを決めていく。そして、それぞれのお客様が大切にしていることを感じ取る。
形を考えるときも、製作している途中も、その大切にしていることをいつも意識している気がする。
もちろん、自分たちが大切にしていることも。
価値観が多様化し早く時が流れていく昨今、少しずつでも私たちが大切にしていることを表現していきたいと思います。
kumiko
 

お仏壇

これまで何度もお邪魔しているお客様の家に、ご依頼いただいたお仏壇を運び入れる。
寺家町に工房を構えた最初の年からお付き合いさせていただいているとても明るいご家族。この日も夕飯の準備をして待っていてくれた。何だか親戚の家に遊びに来たようなあたたかい気持ちになる。
とはいっても、家具を運び込むこの瞬間はいつもどきどきする。お客様のものに対するこだわりがとても強いこともよく知っている。いつも期待していてくれていることも。そしてその期待は超えなければいけない。
       手作り仏壇
       手ずく裏
床の間にお仏壇を設置すると、ほんの少しだけ部屋の空気が変わった。
静かな雰囲気だった。
美しい。それがお客様からいただいた最初の言葉だった。お客様のご要望、機能、僕たちの作りたい形、部屋の雰囲気、様々な要素が組み合わさって出来上がった必然的な美しさだと思う。
すっかり安心した僕たちは、ものすごくおいしい手料理を囲んで、あたたかく幸福な時間を過ごし、気が付くとまたいつものごとくすっかり夜も更けていた。
この後、新たにダイニングテーブルと木のトレー(こちらは2年も前から)製作のご相談もいただいている。ハードルはどんどん高くなってゆく。
takashi
 

デスク、カウンターチェア納品

以前、halfmoonオリジナルのダイニングセットを製作させていただいたお客様から新たにカウンターチェアとデスク製作のご依頼をいただいた。
デスク
 
用途に合わせた機能、サイズを検討し、ダイニングテーブル、椅子と雰囲気が合うようデザインを詰めていった。
カウンターチェアは1/5サイズの模型を作り、立体的な形を検討した上、原寸図、実寸の試作を製作し、高さや座り心地、デザイン的な細かい収まりなど修正を重ねて本製作に進む。
        カウンターチェアー
カウンターチェア
思えば、月に一度の工房オープン日にご夫婦でお越しいただいてから、こうしてものづくりを通してお付き合いさせていただいている。ものをつくるということを大切にされている方々との貴重な出会いに日々支えられている。
takashi

チェリー材のベッド

「ベッドの製作をされたことはありますか。」
と電話で問い合わせを頂き、工房で打ち合わせをしたのが去年の秋。
なかなか条件の合う既製のベッドがないとのことで、オーダーすることを検討しているとのことだった。
工房から遠くない平屋の一軒家。
数年前に建て替えたとのことで、綺麗に塗られた漆喰の壁と無垢の床材、手入れのされたお庭が印象的だった。お客様の雰囲気に合うベッドのデザインと要望を満たすものをご提案させて頂いた。
樹種は優しい雰囲気のアメリカンチェリー材。
細かい部分がわかるよう簡単なモックアップを作成したり、何度か打ち合わせを重ねた。
ものから感じる”独特の雰囲気”。そんな家具になるよう、いつも頭の片隅であれこれ考える。出来上がったものの風景といままで感じた場所やものの匂いや感覚を頭の中で照らし合わせてみたりする。
途中、椅子の製作などでお待たせしてしまいましたが。。。なんとか、製作開始。
製材されただけの無垢材を見ながら、どの木目をどの部分に使うのがよいかを考えながらの木取り。緊張とわくわくした気持ちが入り混じったなかでの作業となっていく。
     
     ベッドヘッドに使う丸棒。
お客様との対話を通して作られていくベッド。
これから製作の日々。丁寧に取り組んでいこうと思う。
kumiko
 

新店舗のための椅子

今春、日本初の店舗を横浜にオープンした北米発のアパレルブランド。『KIT AND ACE』。
ここのブランドは、地域の作り手やデザイナーにオリジナルの照明や家具を依頼し、世界各地で個性豊かな店舗作りをするというコンセプトがあり、今回、横浜店の椅子のデザインと製作の依頼を受けた。
HALFMOON FURNITURE オリジナルチェアを、ここのブランドイメージに合わせて再デザインすることから始まった。色は白またはアースグレー。そして銅。というのが条件。
ここのブランドから感じた印象は、シンプルかつエレガント。そして、素材の質。HALFMOONの椅子がよりエレガントになるように、限られた時間の中で、試行錯誤し最終的に提案させて頂いたのが、これです。
         
HALFMOONオリジナルチェアの背に『KIT AND ACE』のロゴを銅で入れる。
本社のカナダからの了承も得、「KIT AND ACE」仕様のHALFMOON オリジナルの椅子の製作が始まった。

銅のロゴもはまり、白く塗装された椅子は無事完成。HALFMOONオリジナルチェアとは違う雰囲気で凛と佇んでいた。
海近くの赤煉瓦倉庫のそばで、この椅子たちは日々、多くのお客様を出迎えているのだろう。
「KIT AND ACE」 MARINE & WALK YOKOHAMA
http://www.kitandace.com/locations/yokohama-marine-and-walk
kumiko
       
 

16の笠木たち

ずらりと並んで僕を待っている。

ダイニングチェア笠木

16脚の椅子の笠木たちが削られる準備をして待っている。
みんな違う16種類の別の顔。どの顔もそれぞれかわいい。
takashi

庭に面した長いテーブル

通常テーブルというと、ダイニングテーブルとして利用することが多いですが、
今回オーダー頂いたのは、庭に面したリビングの窓辺に置く長いテーブルというご注文でした。
 
長さ2180mm 奥行390mm のサイズ。
なかなか既製のものでは見つからず、オーダーを検討しているとのことで、
お客様のイメージを具体化し、脚のデザインや寸法、天板と脚との関係など何度か
打ち合わせをさせて頂き、製作へと進んでいきました。
 
芝生がある広いお庭に面した窓の下に設置されたテーブルは、秋晴れの太陽の日を浴び
とても伸び伸びとしているように感じられました。
kumiko