キッチン収納 ナラ材

キッチン収納 ナラ

これまで既製品のラックを並べて使っていたキッチン背面の壁一面をリフォームされたいとのことで、カウンター収納と吊り収納製作のご依頼をいただいた。

下段のカウンター収納は向かいのキッチンと合わせた白、天板から上は全てナラ材で製作した。

下段には収納するものに合わせた寸法の引き出しを7杯、壁面にはオープンの棚板を2枚設置、さらに吊り収納の下にはスチールでラックを製作させていただいた。

取り付け初日、大工さんの山川さんと一緒に現場に入り、一度壁を剥がして下地を作り直して家具を取り付けていった。

キッチン収納 ナラ

後日、タイル屋さんが壁面にタイルを貼った後、壁面の棚板とスチールラックを取り付けて完成。

キッチン収納

リビングから正面に見えるキッチン裏の壁面をリフォームすることでリビング空間全体の雰囲気が大きく変わった。生活観に蓋をするための収納ではなく、あるべきものに然るべき居場所をつくるような家具になってくれたらいいと思う。

takashi

HOUSE PROJECT 1

You can't connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future. / 2005 steve jobs

今、私たちHALFMOON FURNITURE WORKSHOPが参加している家つくりのプロジェクトが進んでいます。今回はプランや外観のデザイン、内部の仕様や造作家具など、お客様が大切にする部分をヒアリングして建物の設計から家具の提案まで担当させていただいています。施工は茅ヶ崎の松尾建設さん。それぞれの立場でアイディアを出し合いながら、作り上げていく家づくりです。

私は高校生のときに、坂茂さんの紙の建築(ルワンダ難民キャンプのプロジェクト)や宮脇檀さんの住宅の考え方に興味を抱き、20代後半まで無我夢中で建築を勉強し、仕事をしていました。その中で、もっと作る現場を見たいという願望が強くなり、30代は家具製作を勉強、いまはHALFMOON FURNITUREとして独立し家具を作っています。

建築に興味を持ち始めてから約20年。

遠回りもしましたが、今回このような家つくりのプロジェクトの仕事ができることがとてもとても嬉しく、ありがたい気持ちで取り組ませて頂いています。人との出会いや繫がり、経験は目に見えない宝物ですね。。

建築だけをやっていた頃とは違う、色々な経験をしたことで見えてくることがあるという確かな実感があり、昔から頭の片隅にあったスティーブジョブスの言葉を思い出しました。点と点がしっかりとした線になるよう、今後も取り組んでいきます。

年明けには工事が始まる予定で計画は進んでいます。ブログにも経過を記載しますので、お楽しみに。

kumiko

ウォールナット 丸テーブル

丸テーブル ウォールナット

φ1150  H720  ウォールナット無垢材 オイル仕上げ

大野圭一建築設計事務所からのご依頼で、マンションのリフォーム工事に合わせてウォールナット材の丸テーブルを製作させていただいた。今回は建築家大野さんのデザイン案を元に製作方法、強度等を検討し、打ち合わせを重ねて詰めていくという進め方。

お客様のご要望は、方向性なく囲める一本脚の丸テーブル。大野さんのデザインの狙いは、モダンな雰囲気にリフォームした内装、インテリアに合うように、できるだけ華奢なシルエットにすること。まずそのコンセプトを理解し、共通の認識としてスタートした。製作の立場として、構造的に成り立たないのはやはり怖い。安全を見て部材を太くするのは簡単だけれど、デザインの狙いを形にするためにはそのギリギリを狙う必要がある。部材を細くするために金物で補強するのか、それとも木工的に処理するのか等、何度も話をしながら細部を検討する。大野さんは細部の形状の模型を作って持ってきてくれたり、こちらで組み立て部分の詳細な施工図を描いたり、細かいイメージを共有していく。最終的には金物を使わない、木工的な方法で強度を保てるギリギリの寸法、組み方で製作することになった。

丸テーブル ウォールナット 丸テーブル ウォールナット 丸テーブル ウォールナット 丸テーブル ウォールナット

違う立場の人が一緒にものを作り上げる場合、目的を共有し、お互いの立場や経験を尊重つつ、緊張感を持って向き合うことができない限り、決して良い方向には進まない。大前提としてそれぞれが誠実でなければありえない。今回はそれがとても自然な形でできて、僕にとってもとても刺激的な製作になった。

takashi

チーク材のダイニングテーブル、ベンチ

チーク ダイニングテーブル チーク ダイニングテーブル

ダイニングテーブル:W1250 x D750 x H700  チーク材 ウレタン塗装

ある建築家の方からご自宅用のダイニングテーブルとベンチの製作依頼をいただいた。

ご希望のサイズは、ご自宅のダイニング空間の中でのバランスを重視して必要以上の大きさは取らないサイズ設定だった。

最初はウォールナット天板に鉄脚の組み合わせでご検討いただいていたけれど、ご家族で打ち合わせにお越しいただいた時にちょうど製作中だったチーク材のTVボードを気に入っていただき、材料はチークに決定。デザイン的にはチーク材の魅力を最大限活かせるように全て木製、角脚のごくシンプルなデザイン案に変更した。シンプルなものほどほんの少しの寸法設定のミスで野暮ったいものになってしまう。板厚や部材寸法、天板と脚、脚と幕板のチリ等、ミリ単位の細かい寸法バランスに細心の注意を払って設定した。

チーク ダイニングテーブル ベンチ

引き続きチーク材でTVボードの製作をご検討いただいている。一気に全て揃える必要はないけれど、自分が本当に気に入ったものが日常生活の中に少しずつ増えていくことはとても心地よく、豊かなことだと信じている。一つ一つが繋がっていってくれるよう、丁寧に向き合っていきたい。

takashi

チーク材のキャビネット

キャビネット

キャビネット:W1550xH850xD425  チーク無垢材+突板 ラッカー仕上げ

先日納品したTVボードのお客様より、引き続きキャビネットの製作をご依頼頂きました。

お客様との出会いは今年の3月。わたしたちのホームページを見てお問い合わせいただきました。キャビネットをお探しとのことで、既製品で思うサイズのものや仕様がなく、知り合いの方に”オーダーしちゃったら?”とアドバイスされたことがきっかけとのことでした。

わたしたちのような個人の注文家具工房は人目のつかないところで、ひっそりと製作しているため、なかなかわかりにくく、頼みにくい雰囲気もありますが、お客様より直接ホームページから問い合わせやご依頼をいただけるのはとても嬉しいことです。

少しずつではありますが、ホームページや雑誌の記事などで個人のお客様に知っていただけることに感謝しつつ、知っていただく機会をふやす工夫をしなければなぁと思う日々です。

今回ご依頼頂いたキャビネットはTVボードと同じ、チーク材での製作となりました。

木目を基調としたシンプルな形とし、ハンドルはお客様のご自宅のほかの家具の雰囲気と合うよう、ホワイトブロンズにしています。ここ最近チーク材での製作が続き、だんだんとチーク材の特性を理解すると同時に自然素材ならではの奥深さに改めて驚きます。ガウディの言葉「人は創造しない、自然の中から発見するだけ」… ふと思い出しました。

いつもそうですが、製作中はご依頼いただいたお客様の家の風景が頭の片隅にずっとあります。以前、チークの材料を見に行ったときに、キャビネットの扉の木目は縞のあるはっきりとした板目と考えていましたが、設置される部屋の雰囲気を考え、最終的にはもう少し柔らかい木目を選びました。こうやって、お客様の雰囲気に合う家具になるよう製作していくことは楽しい作業です。

一言に家具といっても色々なものがあり、それぞれに大切な役割を持ちます。

キャビネットはものを収納する機能をもちながら、お部屋に色を添えるものだと思います。

設置したときに、お客様が「なに飾ろうかな。」とおっしゃっていた言葉。好きな絵や写真、お花や陶器を置いたり…想像しただけで楽しくなります。そんな空間つくりのお手伝いができ、製作から納品までとても貴重な時間となりました。

ありがとうございました。

kumiko

キッチン収納、玄関収納

最初に工房にお越しいただき、ご自宅マンションのリフォーム工事に合わせての造作家具製作のご相談をいただいてから半年近くのプランのやり取りを経て、キッチン背面の収納家具、玄関収納を納品させていただいた。

玄関収納 オーダー

不思議なことに、ゆっくりとしたペースで時間を置きながらやり取りを進めていくうちに、実際にお会いする回数以上にお客様の大切にされていることが自然に感じられるようになり、お客様にも僕たちの価値観が伝わっているなと感じることがある。

オーダー家具のようにそれぞれのお客様のご要望、用途に合わせて、実体のないものをプランし、作り上げていく場合、お互いの信頼関係が築けるかどうかがとても重要になってくると思う。

そういう意味でも今回は、お客様のご要望と僕たちが良いと思うものがいいバランスで融合できて、この出会いの中でしか出来得ないものになったと実感できる製作になった。

キッチン収納 玄関収納

取り付けの日、

家具がやってくるのをとても楽しみにしてくれていたお子さん。取り付け作業中もウキウキした様子だったけれど、

作業が終わるまでは待ちきれず、

寝ちゃった。

takashi

Mobile Drawer

現在、開催中のミラノデザインウィーク。super studio内のbudbrandの展示ブースに、茅ヶ崎松尾建設とHALF MOONのコラボレーション作品「Mobile Drawer」を出展しています。

茅ヶ崎松尾建設の多大なご支援のもと、この展示会に出展する機会をいただきました。

今年のbudbrandの展示作品テーマは「モバイル(=可動性)」。

このテーマに沿った作品をプラン、製作し、出展するというもの。

昨年末から、松尾建設の青木社長とアイデアを出し合い、打ち合わせを重ねてきた。ラフプランを作り、一つの方向が見え始めたところで煮つまり、立ち止まり、いまひとつ抜け出せないでいた時、青木社長の「引き出し、持ち歩けたら面白いんじゃない?」という一言から一転、一気に走り始めた。

普段家具として使っている引き出しを時にカバンとしてそのまま持ち出せたら、効率的でありながら、ちょっと楽しくなるような可笑しさのあるものになるのではないかというアイデア。それを日本の伝統的な家具で、軽さが一つの特徴である桐たんすの要素と融合し、木製引き出しでありながら、カバンとして持ち歩けるほどの軽さを実現した。

本体形状はカバンとして持った時に体になじむよう曲面にして、さらに持ち運び用の本体天面と底面にヌメ革を貼り、体へのあたりが柔らかくなるようにしている。

引き出しつまみを回すと、両側から金物が出てきて、引き出しが開かないためのストッパーとなり、そこに革ベルトを通して持ち歩くというもの。

ミラノサローネ モバイル引き出し ミラノサローネ mobile drawer ミラノサローネ モバイル引き出し ミラノサローネ mobiledrawer ミラノサローネ mobile drawer ミラノサローネ mobile drawer ミラノサローネ mobile drawer

今回、工房での製作の都合で、どうしても現地に行くことはできなかったけれど、この機会に多くの人に見て、触れていただければ嬉しい。

takashi

リビング壁面収納

リビングルームに巾1800x高さ2400の壁面収納を製作させていただいた。

テレビボード、オーディオラック、レコード収納棚を兼ねた大型家具。

庭に面したリビングの印象は、雨の日に本を読みながらのんびり過ごしたくなるような空間。

シンプルで機能的でありながら柔らかい雰囲気の家具にしたかった。

リビング壁面収納 リビング壁面収納

納品後にお客様からのメールで、リフォーム工事を経て広くなったリビングスペースにこの家具が入ったことで中心ができて、空間にメリハリがついたとのご感想をいただいた。なるほどと思う。それは生活空間における家具の一つの大きな役割だと改めて気付かされた。もちろん家具そのものの使い勝手の良さや見た目、インテリアとして空間に合っていることはもちろん重要だけれど、それ以上にそこにその家具があることで空間の中で人がしっくりと落ち着き、生活がより心地良いものになってくれたらそれ以上のことはない。それも家具で空間全体をつくる一つの形なのだと思う。

takashi

木のトレー

木のトレー

3年も前から「作ってよ」と言われ続けていた木のトレーをようやくお届けすることができた。

ずっと気にはなりつつも、なかなか形にできずにいた。

お客様はものに対するこだわりがとても強く、本当に気に入ったものを使いながら、日常の時間を大切にされている方で、特に食事に対する姿勢はとても丁寧で、味はもちろん、器、盛り付け、配置全てに気を配った食を日々大切にされている。

和にも洋にも合うもので、お盆というよりはランチョンマットに近いものがご希望だった。

イメージして、試作をしてみるとどうも違う。その度に向かう方向を見失い、なかなか見えてこないまま時間ばかりが過ぎていった。その間にも何台かの家具を作らせていただき、食事をご馳走になり、奥様のお気に入りの器などを見せてもらいながら色々な話をしてきた。そしてメープルのダイニングテーブルを作らせていただいた。ここに並ぶ6枚のトレー。材料はウォールナットに決めた。

日々使うもの。奇抜なものはいらない。料理を飾るフレームのようなもの。材料の風合いを活かしたシンプルなものにしたかった。

ようやく完成した木のトレーを納品した時のお客様の喜び方は特別だった。これまで家具を作らせていただいた時も、いつも心から喜んでいただいてきたけれど、それ以上だったように思う。

木のトレー 木のトレー

しばらく経ってご主人から伺った話しによると、奥様はご主人が大切にされている車にキズをつけても全然気にしないのに、このトレーに関してはほんの小さなキズも気にしてるとのこと。まあまあ、使っていればキズはついて当然なので、あまり気にしすぎないでいただきたいけれど、そこまで気に入っていただき、大切にお使いいただいているということが本当に嬉しかった。

takashi

畳ベッド

椅子の生活をしているけれど、寝るときは畳に布団がいい、という人は結構多いのではないかと思う。

今回のお客様も和室はないけれど、畳の上で布団で眠りたいとのことで、セミダブルサイズの畳ベッド製作のご依頼をいただいた。

畳ベッド ウォーツナット

畳をベッドに使う場合、従来の藁床の畳だとカビやダニなどが発生するリスクが高くなるため、畳床に檜チップを使用し、天然素材の柔らかさと耐久性を両立するように開発された畳をベッドサイズに合わせて特注した。

布団の場合、マットレスのように厚みが出ないため、ヘッドボードを含めて全体の高さを低めに抑えたデザインでまとめることができた。

畳ベッド ウォールナット 畳ベッド ウォールナット

思えばちょうど2年前の工房オープン日に初めてお越しいただき、ダイニングセットのご依頼をいただいてから、一つずつ家具を作らせていただいてきた。実際に使いながら繰り返しオーダーいただけるというは本当にありがたく、作り手としてとても幸せなことだと、つくづく思う。

takashi

丸テーブルと椅子

丸テーブル、椅子

丸テーブルとダイニングチェア製作のご依頼をいただいた。

お客様こだわりの小さめの丸テーブルは、幕板も天板と合わせた曲面で、とのご希望だった。

ダイニングチェアはHALF MOONオリジナルのものを合わせることにした。

丸テーブル、椅子

テーブル、椅子ともに材料はナラ。テーブル幕板の曲面は、薄く削った無垢材を積層して作ることにした。半円の型を作り、そこに厚み2mmに削った材料を添わせ、12層重ねて接着。

天板の厚み、幕板を天板端から何ミリさげるか、脚の太さやテーパーの形状等、細かい寸法バランスは特に慎重に検討した。これまでとは少し違った手応えがあった。

takashi

ガラスショーケース

以前からガラスケースには魅力を感じている。

ガラス越しに見えるもの。視線は遮らないけれど、意識は適度に遮るところがいい。

そっと扉を開けて棚にものを置くとき、いつもより少し丁寧になる感じとか。

今回、寝室に自動車模型を飾るためのショーケースを製作させていただいた。

内部にはダウンライトを設置、背面は鏡貼りという仕様で製作した。

ガラスショーケース

お客様の模型コレクションが飾られ、日々寝室にやわらかい明かりを灯してくれるといいと思う。

takashi