製作体験

 革の教室に通っている方から、自分で作った革の座面でスツールを製作して欲しい

という依頼を頂いた。
ものつくりがとても好きなそのお客様は、スツールを作る過程に自分も
参加したいとのことで、先日、丸一日、スツール作りを体験していただいた。
角のみでの穴彫りや鉋掛け、接着、素地調整、塗装と盛沢山の工程をやって頂いた。
寒い時期にも関わらず、途中で上着を脱ぐほど、熱心に製作に取り組み、そして何より
その工程一つ一つを楽しんでいた。

製作風景:角のみ、鉋、オイル仕上
完成したスツール。スタッキング可能です。
本革の座面はお客様の手縫い。
お客様自ら製作に参加するという新しい試みに、わたしたちも一日楽しく製作に取り組むことができました。
 
kumiko                    

ダイニングテーブル納品

チェリー材のダイニングテーブルが完成し、納品した。

チェリー ダイニングテーブル

ウォールナット材のオリジナルのものを気に入っていただき、それをもとにしたデザインで
製作することになった。
お客様のご要望を聞き、お使いのダイニングチェアーをお預かりした上で、それに合わせた
サイズ、材料を検討し、打ち合わせを重ねた。
全体のサイズ変更に伴い、細かい部材の寸法も再検討した。全体のバランスを見ながらの
寸法決定にはいつも慎重になる。少し間違えばそのものが持つ雰囲気、世界観すべてが失われる。
製作中、終始心地よい時間が流れていた。いいものになるという手応えがあった。

オリジナルのものは、僕がまだ藤沢の注文家具屋で製作いていた頃、仕事が終わったあと、
夜中に(日付が変わってから始めることがほとんどだった)誰もいなくなった工場で少しずつ、
何ヶ月もかけて作り上げていったものだ。僕の最初のオリジナル家具。その中で様々なことを
試し、考え、多くを学んだ。

チェリー ダイニングテーブル

チェリー ダイニングテーブル
チェリー ダイニングテーブル
納品したテーブルでコーヒーをいただきながら、ご夫婦の話に耳を傾ける。海外生活の経験も
豊富で、多くのものを見てこられたお二人の物語。その中でチェリー材のテーブルは静かに、
しっくりと座っているように見えた。

その日は海外出張の多い息子さんが帰ってきて、久しぶりにご家族で夕飯を食べる予定なのだと、
奥様は嬉しそうにしていた。

takashi

玄関用スツール

わたしたちが、そのご夫婦の依頼を受けたきっかけは
この秋にあった寺家回廊のときでした。

ご夫婦は靴を履くときに使用する、玄関用のスツールを探していて、

工房に展示してあるキッチンスツールの雰囲気のまま、座面を低くすることを
希望されていました。
関西の方のテンポのよいご夫婦の会話がとても気持ちよく、
まるでリズムのある音楽を聞いている様な、そんな楽しい気持ちの中で
お話しが進みました。

まずは、現状のキッチンスツールを基にスケッチをし、原寸、模型で
要望に合う寸法や形状を再検討。

 
ご夫婦の了解も得、実際に製作を開始。ご依頼を受けてから約2カ月お待ちいただき、
先日完成しました。

とても素敵な白を基調とした玄関に置かれたスツールは、周りに馴染み

ずっとそこにあったような雰囲気で佇んでいます。
スツールを製作させて頂いたこと、素敵なご夫婦に出会えたこと、
色々な偶然の出会いに感謝する今日このごろです。
kumiko

ダイニングテーブル製作

 「いそぎませんが、クリスマスには間に合えば嬉しいですね。」
思いが伝わるとても印象的な言葉だった。

10月の寺家回廊のときに展示していたオリジナルのダイニングテーブルを気に入って
いただき、それをもとにしたデザインのテーブルを製作している。

テーブル脚 旋盤
テーブル脚 旋盤

テーブル天板
テーブル天板
天板にカンナをかけながら想像してみる。
クリスマスの日にこのテーブルを家族が囲んでいる様子。
そして、クリスマスの次の日の朝、日常に戻ったいつも通りの朝食。
幸福な気持ちになる。
とてもいいテーブルになりそうだ。
takashi

 

開けっ放しの扉の外、竹やぶの中で控えめに色づいた葉。
度々、作業の手を止めて眺めてしまう。
綺麗だな、と思う。

窓から流れ込んでくる冷たい空気が心地良い。

takashi

一人掛けソファ試作

 

何度も絵を描いては模型を作り、検討を繰り返してきた一人掛けソファ。ようやくデザインが
決まり、原寸図をおこし試作に入った。
試作とはいえ、雰囲気、座り心地が正確に分かるよう材料、全ての仕口、仕上を本物と
全く同じ仕様にする。
月末にこれをお客様の家に持って行き、実際に使われる場所に置いて最終打ち合わせをし、
さらに調整が必要であれば改善して、本製作に入ってゆく。
一人掛けソファ
一人掛けソファ
来週には背と座のクッションも張り上がってくる。楽しみだ。
takashi

cafe & bar 『K-flat』

若い世帯が賑わう横浜市都筑区『センター北』。
今年の夏、この街でcafe & bar を開くというお話があり、
お店のテーブルやカウンター、ボトル棚を製作させて頂きました。
お店作りの最初の打ち合わせから参加させて頂き、全体のイメージに合うよう
家具も提案させて頂きました。
製作する前の提案段階では、自分たちの経験や感覚だけではなく、
それを使う場所の雰囲気や頼んでくれた人たちの雰囲気を大切にプランするよう心がけています。
今回は、ウォールナット材をメインとし、特にオーナーさんの思い入れの強い
ボトル棚にはお店のシンボルカラーであるオレンジ色を取り入れました。
家具納品後、完成した綺麗なお店に少し味のある、古びたような看板が欲しいということで
製作した看板が下の写真です。普段は鉋をかけ、綺麗に仕上げることが多いですが、
これは鉋をかけたあとに、古くみえるように加工しました。
普段やらないから、これはできないということではなく、色々なことに挑戦するスタンスで
常にありたいと思います。
夜のbar は昼とはまた違った雰囲気になります。
cafe & bar 『K-flat』  11:30~ OPEN
神奈川県横浜市横浜市都筑区中川中央1-38-2マルチナクレスト1F
http://kflat.jp/

食事も一つ一つ手作りで丁寧に作っているお店です。

センター北へ行く際は、是非一度行ってみてください☆
kumiko

約4年ぶりに僕の木工の師の仕事を手伝った。
「師」などというと、丸眼鏡をかけた、職人気質の無口なおじさんを想像されるかも知れない。
でも、僕の師は丸眼鏡なんてかけていないし、職人気質という印象ともだいぶ違う、物腰
のやわらかな人だ。第一、おじさんではない。僕と歳の近い、いい友人でもある。(30代も半ば
なのでおじさんと言えなくもないけれど)

僕が初めて家具製作の仕事に就いた注文家具屋の工場の中でもひときわ華奢な体つきの
職人らしくない身なりの彼から、僕は木工に関するほとんどのことを教わった。
たびたび僕のミスをフォローしてもらい、何度も2人で徹夜をした。
彼の判断力、的確な手の入れ方にはいつも感心させられた。そして何より、ものづくりの楽しさを日々教えてもらっていた。

その後僕はその会社を離れ、フィジーに渡り、2年後に帰国して自分の工房を持った。
日々ものづくりをする中で、迷ったとき、困難な場面に直面したとき、自分の仕事を振り返るとき、
常に彼の存在を意識してきた。

久しぶりの師匠との仕事は、以前と全く変わらない、心地よい緊張感と和やかな空気の中で
はかどり、順調に進んでいった。彼のゆっくりとした、でも無駄のない、きちんと考えられた動き、
的確な判断力は相変わらずだった。

普段なかなか会うことがなくても、大切な人の存在にはいつも勇気付けられ、支えられている
ということを改めて思い出させてもらった。

takashi

茅ヶ崎 STORY MARCHE

11月9日 第三回story marcheに参加しました。

ブログを書こうと思いながら、いつの間にか第三回になりました☆
このマルシェは茅ヶ崎にある松尾建設内にて2ヶ月に一回開催されるものです。
私たちの他、とっても美味しいお弁当やケーキ、野菜ジュース。多肉植物など
色々な人たちが参加しています。
毎回賑わっていて、今回も200人近くの方に来ていただきました。
私たちは普段家具を製作していますが、このマルシェでは小物を中心に
販売しています。
今回はキッチンスツールが2脚。スチール+楢のスツール、その他小物たちが
私たちの手のもとを離れ、お客様のところへ旅立ちました。
直接お客様とお話できるこの機会を、わたしたちはとても楽しみにしています。
第3回HALFMOON FURNITURE WORKSHOP 展示風景
多肉植物「季色」さん。
お弁当お惣菜「春きらり」さん。
HHALFMOON FURNITURE WORKSHOP オリジナル  キッチンスツール
第2回茅ヶ崎STORY MARCHE (写真のスツールは全て完売!)
次回は1月11日。
寒い時期ですが、生活が楽しくなるようなアイテムを作って参加したいと思います。
お近くの方や遠方の方も是非、茅ヶ崎マルシェにお気軽に来てください!
詳しくはこちら:http://www.matsuo-story.com/
kumiko

納品

辻堂東海岸、松尾建設の新築住宅に家具を納めさせていただいた。
日当りの良いリビングに入ると秋の日差しをたっぷりと含んだ無垢の床材の感触が心地いい。

去年製作させていただいた松尾建設事務所の受付カウンターをお施主様に気に入っていただき、
そのデザインを元にしたデスクを2台とカウンター正面のルーバーと同じものを玄関の下駄箱
背面の壁に取付けることになった。
デスクは普段は2台を横並びで使い、向かい合わせるとダイニングテーブルの巾、高さとそろい、
延長台として使えるというもの。
横並びのときは外側の脚から天板、向かい合わせのときは隣り合うそれぞれの天板の木目が
つながるように作った。
タモ デスク1

タモ デスク2

作業を終え玄関を出るとき、自分の作った家具がこの家と一緒に、ここで新しい生活を
始められるご家族を迎えるのかと思うと少し照れくさいような誇らしいような気持ちになった。

takashi

「紫」 染色史家 吉岡 幸雄

 
植物だけの色。
途絶えかけた日本の心。

「紫」

日本古来の染色染料にこだわり、育て、染める吉岡幸雄。
この映画は美にとりつかれた男の記憶である。

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染や織、日本の伝統に詳しい方なら知っているであろう「吉岡幸雄」さんの
ドキュメンタリー映画が、ここ寺家にあるjike studio にて上映されます。

わたし自身、日本古来のもの「土」や「和紙」に興味があり、
その本来のもつ美しさにいまでも魅了されている一人です。
(以前ブログにも土については書いたことがありますが。。。)
わたしの師である田村氏も土で布を染める「埴染め」をしていますが、
草木染、埴染め、本当に自然の色は美しいものです。

ご興味のある方は是非、jike studio へ足を運んでみてください。
11月1日は吉岡幸雄さんも来られます。

内容についてはこちらをご覧ください。
http://www.sachio-yoshioka.com/2011/0901.html

jike studio
http://tsuki-zo.jp/jike-studio/

寺家回廊終了いたしました

展示期間中、たくさんのお客様にお越しいただいき、ありがとうございました。

Half Moon Furniture Workshopは初参加にもかかわらず、
多くの方々に工房に足を運んでいただき、直接お話しできたこと、
私たちにとってとても有意義な、いい時間となりました。
私たちは日々、寺家の自然に囲まれたこの工房で製作をしています。
お近くにお越しの際は是非、お気軽にお立ち寄りください。
また、家具の製作、修理等に関するお問い合わせはメール、
電話でも承っております。お気軽にお問い合わせください。
今後ともよろしくお願い致します。
小栗 崇
小栗 久美子