先日こどもの国へ行きました。
こどもの国はうちの工房のとなりの山にあります。

とってもかわいいです。
夕暮れの中、いつかポニーや羊たちと暮らすことができる、広い場所で生活がしたいな。
と夢のようなことを思いながら、
いつもと変わらない工房に戻り、いつも通りの仕事をするのでした。
HALF MOON FURNTURE WORKSHOP (ハーフムーン ファニチャワークショップ) 横浜市青葉区寺家町にある注文家具工房です。小物や椅子、キャビネットなどご要望に応じて、一つ一つ丁寧に設計・製作しています。
先日こどもの国へ行きました。
こどもの国はうちの工房のとなりの山にあります。
とってもかわいいです。
夕暮れの中、いつかポニーや羊たちと暮らすことができる、広い場所で生活がしたいな。
と夢のようなことを思いながら、
いつもと変わらない工房に戻り、いつも通りの仕事をするのでした。
茅ヶ崎、松尾建設青木社長宅に2台目のベンチの納品に行ってきた。
前回、ダイニングテーブルとベンチ1台を納品させていただいた時に、反対側もベンチにしよう
とのことでご注文いただいたもので、デザインは変えずにスチールの脚にナラ材の座板。
セットした時にテーブルが3枚のガラス戸の中央に来るように、今回のベンチは奥行を500に
広げて調整した。
今日も青木さんと奥さんのかおりさんがいつも通りのリラックスした雰囲気で迎えてくれ、
納品したばかりのベンチでコーヒーをいただいていると、とてもあたたかい気持ちになった。
青木さんご夫婦は仕事中も家にいるときも全く雰囲気が変わらない。いつも気遣っていて、
誠実で、それでいて自然で、くだけていて。リラックスした中にも厳しさがある。
それが青木さんたちの人望につながっているんだろうと思う。
会うたびに前向きな気持ちになる。誠実に頑張ろう。
takashi
冬も深まり、工房の前の池にも氷が張り、
と書こうと思っているうちに暖かい日が続き、すっかり溶けてしまった。。。
今日などは昼間、長袖のTシャツで仕事をしていても暑いぐらいだった。暖かいのはいいけれど、
なんだかすきっとしない。
一月に入って毎朝、工房の気温はマイナス2~3℃、水道も凍っていて水が出ないという日が
続いていた。そこまで冷えてくるとこちらもそのつもりでいるので意外と気持ちがいい。
工房の前の池にも氷が張って、底の方にはゆっくりと泳いで回る鯉の背中が見えていた。寒く
ないのだろうか。寒いと言ったところで他に行く場所もないか。
どのくらいの厚みで凍っているんだろうと思い、小石を投げ込んでみる。
ぴょん ぴょっ ぴょっ ぴょっ、、
池全体が響鳴したなんともかわいい音が響き渡った。
すこし恥ずかしくなって周りを見回してしまう。誰もいない。
もう一回。
ぴょん ぴょっ ぴょっ ぴょっ、、
楽しい。
もう一回、と思ったところで気がついた。氷の上を小さな鳥が歩き回っている。冬のあいだ
だけの特別な遊び場か。餌でもあるのか。なんだか楽しそうに見える。冬の風景はしんと
していて、少し嬉しい気持ちになる。
明日から二月、まだまだ寒くなるのか、それともこのまま春に向かうのか。
takashi
本棚に並んでいる本を見ると、とても楽しくなってきます。
現在、大きな本棚を製作中です。
この本棚が出来上がるころは、もう春になるころです。
ふと思い立って、少し緊張したけれど、電話をかけてみた。
「どうぞ、是非いらしてください。お待ちしてます。」
突然の電話にも関わらず、チェンバロ奏者の山田貢先生はいつもどおりの柔らかな口調でそう言って、
お宅までの道順を丁寧に教えてくれた。
妻と二人で約束した時間にお宅にお伺いすると、先生ご夫妻がそろって出迎えてくれた。
久しぶりにお会いする奥様もとてもお元気そうで、人懐っこい笑顔を見せてくれた。
リビングに入ると、北欧やイギリスの古い家具たちが配置され、その奥には4台のチェンバロが
並んでいた。
奥様は、「この椅子は昔近所で拾ったものなのよ。」とか、
「このソファはクッションがもうダメなんだけど、張り替えると高いでしょ。
でも気に入ってるから捨てられないし、このまま使ってるのよ。」とか、
長年大切にされて、さまざまな物語を持った家具たちをひとつひとつ、家族を紹介するように
嬉しそうに紹介してくれた。その言葉からはものへの愛情と幸福感がにじみ出ていた。
そして奥には4台のチェンバロ。なんとわくわくする空間だろう。
今度は先生がチェンバロを1台ずつ引っ張り出しては蓋を開け、音を出して、作りや
その楽器との出会い、それぞれの物語を聞かせてくれた。それにしても山田先生ほど
チェンバロの似合う人は他にいないのではないかと思う。楽器の持つバロック独特の雰囲気
と先生からにじみ出る世界観が見事に調和している。それは長年向き合ってきたチェンバロ
を通して先生が旅し続けているバッハの世界から流れ込んでくる空気のせいだろうか。
先生ご自身が研究、復元されたラウテンクラヴィーアは調整中でちゃんと音を聴くことは
できなかったけれど、イギリス人によって製作された二段鍵盤のチェンバロの前に座り、
僕たちの目の前でバッハを演奏してくれたとき、その音はとてもあたたかく響いていた。
その後、僕たちはダイニングに移り、奥様の淹れてくれたお茶を飲みながらご夫妻の昔話に
耳を傾けていた。
先生の学生時代、まだ日本にはバロック音楽が広まっていなく、チェンバロもほとんど
なかった時代、バッハが大好きで、チェンバロで作曲されたはずのバッハの曲をピアノで
演奏することに疑問を持ち、どうしてもチェンバロを勉強したくて、NHKへの就職を蹴ってまで
留学を決意して就職担当の先生にひどく罵られ、それでも最終的には後押ししてもらった話。
たまたま聞き知った留学生募集の話から、気軽な気持ちでセーターにつっかけという姿で
自転車に乗ってオーストリア大使館に願書だけを貰いに行ったつもりが、そのまま大使と面接
することになり、その場で留学が決定してしまった話。奥様の運転で楽器を運びながらの演奏
旅行の話。17年生きた大切な飼い犬の話。病気をされた時の話。
奥様が話し始めると先生はじっとその話に耳を傾け、しばらくするとそこから先生が続けて、
話はどんどん広がっていった。どんなに大変だったことも面白おかしく話すお二人の物語に
僕たちは大笑いし、時間を忘れて聞き入ってしまった。
外に出るとさっきまで高かった陽はもう暮れ始めていた。寺家町に工房を開いてもうすぐ一年、
とても貴重な出会いに恵まれてるなと思う。
先生はこの春、久しぶりに演奏会を開く予定だという。80歳になられてさらに追求し、
楽しそうに前に進んでいる姿にこちらの方がエネルギーをいただいてしまった。
これから楽しみだ。
takashi
海沿いの国道をしばらく南に進み、山の方にそれていく細い坂道を上ったところにその店は
ひっそりと佇んでいる。
魔法使いのような無愛想なおばさんと時々姿を見せるどことなくコミカルな雰囲気の白髪の
ご主人。物静かな御夫婦が営むこのレストランにぼくは時々どうしても行きたくなる。
冬の日の午後、お店の中は薪ストーブのやわらかな暖かさに充たされ、魔法使いのおばさん
が大切に育てているさまざまなハーブの鉢は天窓から注ぐ冬の陽射しをいっぱいにうけていた。
おばさんは相変わらずにこりともせずに僕たちをテーブル席に通して、和紙に手書きした
メニューを手渡してくれた。その一つ一つの動作が丁寧で安心感を与えてくれる。
スピーカーから丁度いい音量で流れてくるキース・ジャレットのピアノ、木の床に響く軽い足音、
食器の擦れる音、時々小声で話す御夫婦の声。このお店以上に心地いいお店をぼくは知らない。
入口の扉を開けた時から、常に一定に時間が流れている心地よさ。
それが店主の御夫婦が長年にわたって丁寧に作り上げてきた世界なのだと思う。それはお店
という名のもとに表面的に作られた雰囲気ではなく、彼ら自身が大切にしている日常の時間
そのものなのだと思う。
大事に育てられたハーブをふんだんに使った、魔法のようなパスタとピザを食べながら、
お店を閉めたあと、薪ストーブの脇の揺り椅子でコーヒーを飲みながら物静かに話す御夫婦の
姿を思い浮かべてみた。
takashi
久しぶりにチェンバロ奏者の山田貢先生が散歩の途中、ふらっと工房に訪ねてきてくれた。
80歳近い山田先生が自転車に乗って、池の脇の道をゆっくりこちらに向かって進んでくる
姿を目にしたとき、ぼくはなんとも嬉しい気持ちになって作業の手を止めた。
山田先生が初めて工房に立ち寄ってくれたのは去年、寺家回廊の準備のため、妻と二人で
工房の展示スペースの壁に漆喰を塗っている時だった。
小柄な体つきにサスペンダーをした姿が印象的で、まるで物語の世界からやってきたような
独特の雰囲気を持っていた。その時に先生がチェンバロの奏者であり、製作者でもあること
を知った。
先生が製作されているチェンバロはラウテンクラヴィーアというバッハが愛用していたものだ。
それはリュートのような響鳴体が本体内部に仕込まれていた、ガット弦のチェンバロで、
実物はもちろん、資料すらもほとんど残されていない幻のチェンバロだという。
先生は長年、ラウテンクラヴィーアの研究をされていて、既に何台か復元し、それを使って
演奏会もされているそうだ。
一月の冷え込んだ工房で、ストーブを囲んでお茶をすすりながら先生とポツリポツリと
言葉を交わして過ごす時間は、なんとも心地よく、ゆったりと流れていた。
それにしても先生の知的で穏やかな言葉、人を見下しもしなければ、区別もしない柔らかな
眼差し、素敵だなと思う。
今度、先生のお宅にお邪魔して、ラウテンクラヴィーアを見させてもらう約束をした。
先生が帰られたあとも工房にはあたたかい雰囲気が残っていた。
takashi
鉄とナラ材のスツール。
お正月休み、窓の外は快晴の冬空。あたたかいコーヒーを飲みながら、
久しぶりにゆっくりDVDを観て過ごした。
その中の一本 “The Miles Davis Story”。
マイルスがチャーリー・パーカーやガレスピーを追いかけてジャズの世界に入っていく
ビバップの時代から始まり、その後早いコードの展開に早いソロで音を埋め尽くす方向に
進んでいくパーカーやガレスピーと逆行し、どんどん音をそぎ落とす方向に進み、
ビル・エバンスと組んで、名盤”Kind of Blue”を発表する。
その後も自ら作り上げたスタイルを次々壊しながら、新しいスタイルを生み出し続けていった
マイルスのミュージシャンとしての一生を綴ったドキュメンタリー映像。
その中でピアニスト、キース・ジャレットが、”マイルスは過去のものにしがみついていい演奏
をするぐらいなら新しいものを創造しながらひどい演奏をするほうがましだと思っていた”
というようなことを言っていたのが印象的だった。
自分の創作意欲とどこまでも純粋に向き合い、評価されていたものを自ら壊して先に進んでゆく
エネルギーと信念。
改めてKind of Blueを聴いてみる。全ての音に神経が行き届いているその演奏は、張りつめた
緊張感があって聴いているこちらも一音たりとも聴き逃してはいけないような気になる。
それにしてもなんて美しいトランペットの音色だろう。
こんなに美しい声で静かに、強く”So what”と叫ぶトランペットをかまえたマイルスの
細身のシルエットが浮かぶ。
takashi
年の終わりに、2台の一人掛けソファとサイドテーブルを持って埼玉まで行ってきた。
茅ヶ崎へ、ダイニングテーブルとベンチの納品に行ってきた。
「ちょっとこの板持ってってさ、うちのテーブル作ってよ。あ、あとついでにベンチも
1台ね。」
「はあ、どんな感じのがいいですかね?」
「全部任せるよ!」
こんなやりとりから始まった今回の製作。いつもお世話になっている茅ヶ崎、松尾建設青木社長
「反対側もベンチにしようか。ベンチもう1台作ってよ!」
本当にいつもありがとうございます。
takashi