先日、近所のカフェ&ギャラリー寺家スタジオで行われたラウテンクラヴィーアの演奏会に行ってきた。奏者はチェンバロ演奏家で、製作者でもある山田貢先生だ。
もともとは、先生が散歩の途中、たまたま僕たちの工房に立ち寄っていただいたことがきっかけで知り合った。いろいろなお話を聞かせていただくうちに、その物語の世界から飛び出してきたような、どことなく空想的な佇まいにすっかり魅せられていた。

音楽にとって(音楽に限らず全ての表現においてかもしれないけれど)一番大切なのは世界観だと思う。どんなにテクニックのある演奏でも世界観がなければそれはただ正確な音の羅列に過ぎず、全く心に響いてはこない。