雪の日はいつもより時間がゆったりと流れているような気がする。
何をするにもひと手間増えるからその都度立ち止まる。必然的に動きが遅くなってちょうど良い。
車を動かす前にタイヤのまわりの雪を少し掘ったり、ガラスの雪を落としたり。雪にうまり、
手が冷えて、いつもなんとなく通り過ぎていく時間にもいちいち現実感が沸く。
そして、みんなそれぞれ何かを諦める。お気に入りの靴を履くのを諦めたり、寄り道を諦めたり。
お店をいつもより早く閉めたり。
僕も今日、納品を一件諦めた。その代わり工房での作業の合間に、コーヒーを淹れ、トムウェイツ
をかけて、いつもより少し長く窓の外の森を眺めた。
贅沢な一日だ。

こんなことを言うと、北海道出身の妻に
「雪のある生活はそんなのんきなものじゃない。」
と叱られそうだけれど。。。

takashi