あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。

旧年中の多くの素敵な出会いに感謝致します。

思えば昨年あたりからようやく私たちも、日々の製作の合間に映画を観に行ったり、展覧会に出かけたり、休日に本屋さんやレコード屋さんを物色したり、という時間が持てるようになってきたように思います。今年もそういった時間を大切に、日々様々な感覚を磨きつつ、家具製作に活かし、half moonの世界を創り上げて行けるよう努力していきたいと思っております。

毎月第四日曜日のオープン工房も続けていきますので、是非お立ち寄りいただければ幸いです。

本年もどうぞよろしくお願い致します。

小栗 崇/久美子

表現していくこと。

『木と土』のやじろべぇ

遠い過去の記憶、どこか懐かしい感覚。。。

そういうものを想像しながら、「木と土」で出来上がったもの。

自然のものが持つ柔らかさ。手で作られた優しさ。どこか日本らしいもの。

そんなぽてっとしたもの。

これから色々なことを試しながら、表現していきたいと思います。

kumiko

温かい緊張感

目黒の金柑画廊で広瀬良二作品展「平行線の交叉する処」を見た。

作品はワイヤーを使った立体と、古い本を破った紙に描かれたドローイング。

どの作品も緊張感のある繊細な線がとても印象的。それなのにどことなく温かい安心感を感じる。
                                                             
作家の広瀬良二さんの佇まいがまた格好いい。飾り気のない穏やかな優しさが鋭さを包み込んでいるような柔らかい雰囲気。
(大変失礼ながら最初、その方が広瀬さんとは気付かず、画廊のおじさんかと思ってしまった。。)
自然体で自分の思うものを純粋に追求してきた結果が、もしくはそのプロセスが「今」ということなのかな。
                                                              
とにかく、作品も作家さんご自身もとても格好良いです。
金柑画廊での作品展は今日が最終日でしたが、どこかで名前を見つけた際は是非。
お勧めです。
                                                             
takashi

フィジー

リオデジャネイロで勝ち取ったフィジーの歴史的な金メダル。それを持ち帰った選手たちの姿がなんとなく目に浮かぶ。

それぞれ出身の村にメダルを持ち帰る。僕が住んでいたレケティ地区のように未だに電気が通っていない村の出身選手もいるだろう。
村に帰るとまず酋長の家に報告に行く。表ではピオとかサイモネとかセミシとか、そういった名前の若者たちが一頭の牛を潰し、きれいに解体してゆく。女性たちは地べたに座り込んで大声で談笑しながら、やしの実を削ったり、掘ってきたタロイモを洗ったり、のんびり料理の準備をすすめている。
日が暮れると村中の男たちが酋長の家に集まってきて、ランタンの火を囲み、カバを囲んでパーティが始まる。金メダルはいろんな人たちの手に渡り、みんなが酔っ払い始めた頃には首掛けリボンは村人たちの手垢で真っ黒になっている。大人が一通り触った後は子供たちの番だ。1人の子が首から提げて外に走り出る。それを大勢の子供たちが追いかけまわし、いつの間にか2チームに分かれた子供たちはメダルをボール代わりにラグビーの試合を始めてしまう始末。真っ暗闇を裸足で走る子供たちの声が響き渡り、興奮した犬たちまでもが一緒になって走り回っている。頭上には天の川がくっきりと見えている。
ようやく選手のもとに戻ってきたときには、メダルは泥だらけ、リボンの輪っかは根元でちぎれて一本の長い汚い紐、というありさま。大人たちは(本人さえも)それを見て笑い転げている。こんな感じでそのうち無くしちゃうんだろうなあ。                                                                                      
そんなことを想像しながらつくづくよかったな、と思う。                                                                                                            
takashi

マルシェ準備

明日のマルシェのための準備をしていたら。。。もうこんな時間。。。

今回は ”折りたたみスツール” や ”モビール” を新たに製作しました。

このマルシェでは時々いや、もっとかな。”特価”で小物やスツールを販売しています。

フォールディングスツール 折りたたみスツール

本革とオーク材のスツール。玄関に置いて、靴を履くのにとってもよい感じだと思います。

折り畳めるので気軽に持ち運び出来ます。運動会などでも活躍しそうです。

kumiko

少しずつ。少しずつ。2。

7月3日 日曜日。早朝4時起床。

この日は工房外壁の色塗り!と決めていたので、暑くなる前の午前中に作業をした。

少し、綺麗になったかな。 みどりから青になりました。

kumiko

少しずつ。少しずつ。

昨年の冬の風景。

今年の始め、ここにプレス機を入れました。

少しずつだけれど、限られた空間の中で作業がしやすい環境を作っていき、

少しずつだけれど、何かが伝わる空間を創っていきたいと思っています。

kumiko

昆虫の季節

この間、近所で小カマキリを拾った。
小さいけれど完全なカマキリの形。首をくるくる回して警戒している。
うれしくなって工房に持ち帰る。
手のひらに乗せて、つぶさないように気をつけて、そうっと歩いて工房に着いた途端、逃げられた。

そういえば、2ヶ月程前にアレックスの畑の腐葉土からざくざく出てきたカブトムシの幼虫たちは今頃どうしているだろうか。そろそろさなぎになっている頃だろうか。もう一度掘り起こしてみたい衝動に駆られたけれど、やめた。

先日、田植えを終えた矢口さんが工房にやって来て、田んぼに蛍が飛び始めたことを教えてくれた。
工房の軒下には蜂が巣を作り始めている。
昆虫たちが活動的になる季節。楽しい気持ちになる。
今日は一日、現場で家具の取り付けをしてきた。夕方、外で休憩しているとカミキリムシの一種か、変なやつが僕のほうに近づいてきた。

威嚇のつもりなのか、背中にイスラム帽を被った埴輪みたいな顔が描いてある。人間から見れば全然恐くない。なんてのん気な姿だろう。それにしても不思議だ。何がこういう進化をさせるのか。
僕たちの日常のすぐ傍にこんな陽気な世界が広がっていると思うと笑えてくる。
takashi

春の風景

カサカサカサ、
ザッ、ザッ、ザッ
工房の前の竹やぶから聞こえる物音に耳を傾ける。
毎年、僕たちの工房に春の訪れを告げる心地よく乾いた音。
隣の小沢さんがタケノコを求めて藪の中に分け入る音だ。

表に出て声を掛ける。
「どうですか?」
「だめだな。。まだ早いな。」
毎年繰り返される全く同じ会話。
この感じが好きだ。なかなか採れないところも。
今日、小野路の友人のところに行った。山の中のとても気持ちのいい場所だ。
満開の桜が雨の後の湿った空気に包まれていた。
用事を済ませて帰ろうかというとき、タケノコがたくさん出ているから掘って行かないかという。
僕たちの工房のタケノコはまだ出ていないというのに。。
藪に入ると確かに、ざくざく掘れる。掘れる。

家に帰って灰汁抜き。早速筍ご飯と煮物にしていただいた。
小沢さんはまだありつけていない。このことは内緒にしておこう。
takashi

工房の床落ちる

僕はゲジゲジが割と好きだ。
大きく足を広げて壁に張り付くその姿は、見慣れない人にとっては気味の悪いものかもしれないけれど。
以前、僕の住んでいた海の近くの古い平屋は、ゲジゲジの多く出る家だった。玄関に、キッチンに、寝室にも。いつも、いる。
僕も最初は彼らに出会うとその姿にぎょっとして、仕留めなければと、戦う姿勢をとっていた。しかし、いくら僕が攻撃しても彼らは決して反撃しては来ず、ただただ逃げて回るだけだった。そのあまりに弱く、はかない姿にだんだんかわいそうな気持ちになり、攻撃することをやめ、共存していくことに決めた。
一度受け入れてしまえば何てことはない。その姿にもすぐに見慣れ、僕の座るすぐ横の壁にいようと、ベッドの脇にいようと、一つも気にならなくなった。
もちろん森に囲まれた僕の工房にもゲジゲジは多くいる。
冬の間ほとんど見かけなかった彼らに先日突然出くわした。それも一度にかなりの数に。
「お、こんなとこにいたのか。」
それは床板を剥がし、逆さになって床下に顔を突っ込んだときだった。
       
去年から一番大きな機械を置いている場所の床が落ちてきていることには気付いていた。日に日に下がってゆき、見た目ではっきりと大きく落ち窪んでいるのがわかるまでになった。そのうち抜けるのではないかとさすがにこわくなり、とりあえず機械は別の場所に移動して、早くへこんだ床を剥がして直さなければと思いつつも日々の忙しさに追われ、見てみぬふりをする日々が続いていた。
先日、さらに大きな機械を搬入することになりその前日、意を決して傷んだ床を剥がしてみた。
「あああ。。」
       
妻と2人で唖然とした。床下に土間をうっていないので湿気で大引が腐り、機械の重さで潰れていた。
もう日が暮れる時間だった。明日には大きな機械が入ってくる。なんとしても今日中に直さなければ。
ゲジゲジたちに会ったのはそんなときだった。床の裏にのん気に張り付いている彼らの姿になんだか穏やかな気持ちになった。
夜中の3時頃、ようやく大引、根太を新しいものに交換し、床板を張り戻した。明日機械を設置する予定の場所の床下は、見ていない。そうそう簡単に動かせる機械ではないけれど。まあ、なんとかなるか。
       
       
これから日に日に暖かくなってゆく。虫たちが動き始める季節。工房の床下もにぎやかになっていくのかなと、想像すると少し楽しくなる。
takashi
 

まる3年。

HALFMOON FURNITURE WORKSHOP をここ寺家に構えてから3年が経ちました。
本当に少しずつですが、私たちの目指す「対話をしながらのものづくり」をする機会も
増えてきました。
わたしたちに家具の製作を依頼してくれるお客様。
とても頼りになる材料屋さんや塗装屋さん。
色々な人たちの力が合わさり、ひとつひとつの家具ができ上がってきました。
忙しい日々が続くと、初心を忘れがちですが私たちが大切にする「ものづくり」を日々していけるよう
4年目も取り組んでいきたいと思います。


kumiko
 

日常

晴れた冬の日曜日。
花粉も飛び始め、北海道出身のわたしにとってはもう春のようだ。
3月にオープンするカフェの家具作りをしている。
そこのオープニングパーティで音楽演奏を頼まれた。数年振りにギターを手にしている。
          
集中しているのを邪魔するのもなんだし、私は午後、工房へ行くことにする。
来週いよいよ大きな木工機械が入ってくる。それの準備でまるで引っ越しのような状態を整理しに。
新たな機械が入ってくるのが楽しみだ。
kumiko