お客様との対話を通して作り上げていく家具。
作り手の知識や経験に、お客様の要望、アイデアが混ざり合って初めてできるかたち。
それが特注家具のおもしろさの一つだと思っている。
キッチンとダイニングを仕切る両面使いの家具。キッチン側には大容量の収納。
2口コンセント2カ所、引出し2杯、開き戸、スライドトレー。
ダイニング側は奥行きの浅い飾り棚として。照明が2カ所。折りたたみ式テーブル付。
多彩な機能を持つ道具としての家具でありながら、間仕切りとしての役割も果たしつつ、
空間全体の雰囲気を心地良いものするようなもの。
こんな要望からこの家具の製作は始まった。

コンセントや照明の配線をパネルの中に通すため、フラッシュ構造で作ることにした。
構造が複雑なため、何工程にも分けて組み立ててゆく。
お客様は製作中、何度も工房に足を運んでくれ、製作過程を見ては、イメージを膨らませていた。
それは作り手にとっても幸せな時間だった。

配線はパネルの中を通して地板に抜き、台輪にスイッチを取付ける。




ものが収納され、小物たちがセンスよく配置され、明かりが灯される。
家具は以前からその場所にあったかのように空間の中にしっくりと佇んでいた。
takashi