自宅の改修と家具ーその3

今から4年程前に古屋を購入し、内部を改修した。

自宅の改修の内容としては、

①既存和室 →  キッチン/ ダイニングへ
②既存キッチン・リビング →  一室としリビングへ

既存の和室は8畳に一間の押入がある部屋。そこに出窓と掃き出しの窓がある。

前回のブログにも記載したけれど、キッチンに立ったときや座ったときに窓の向こうに空が見えたり視線が抜けることが、”心地よさ”を感じる大切な要素だと思っている。今回のキッチンの配置は機能を満たしつつ”窓との関係”を考えながらプランをしていった。出窓を利用してキッチンとし、空間の真ん中に箱を作り、そこにシンクと2人が座れる大きめのカウンターテーブルを配置、くるくる回れるようなプランとした。

40年前の新築のときの写真を見ると、和室の天井は2階の床根太が綺麗なピッチで入っていたので天井は木を生かし、壁は断熱材を入れプラスターボードで覆ってもらった。

↑天井仕上げを撤去すると綺麗なピッチで2階根太が見えてくる。

↑和室出窓部分。既存の壁に断熱のためスタイロフォームを貼り詰めてもらう。

↑出窓部分。プラスターボードを貼り、床も下地合板を貼り終え、大工工事も終盤。

さて、仕上げはどうしようか。

床は古い家にも合いそうな質感がある黒色のレンガタイルを選んだ。タイルは冷たいし固いので住宅には向かないかもしれないけれど、キッチンは寛ぐというよりは活動的な場所なのでタイルでよいと判断し、カウンターテーブルの下にはウールのラグを敷くことにした。

そして自分たちで製作するキッチンの天板は木を使うことにした。キッチンの天板として木を使うことで、無垢材がどう変化していくのか、その使い心地を確認してみたいと以前から思っていた。樹種は油分が豊富で水に強いチーク材。シンクの立ち上がりは北海道のクルミ材をリブ状に並べている。キッチンは日々使っているけれど、チーク材の天板は全く問題なく、むしろよい味になっている。使い心地もよく、個人的にはとてもよいと思っている。

壁は木の自然の色味が引き立つようあえて”塗装の白”とした。ガス台の正面の壁はタイルを貼り、上から壁と同じ色の塗料(ベンジャミンムーア艶あり)を自分たちで塗った。ここもどうなるか心配だったけれど、汚れも拭けるし問題なく使えている。

↑カウンターダイニングテーブルのスペース。床は黒のレンガタイル貼り。(国代耐火)

↑出窓を利用しキッチンを配置。天板はチーク無垢材としている。引き出しを3杯設置。

平面プランや仕上げの材料、細かい収まりなど色々と悩みに悩んだが、職人さんたちのおかげもあり改修は順調に進んだ。元々の建物を生かした天井もよい雰囲気となり、古さと新しさが融合した空間が出来上がった。キッチンに立ったとき、椅子に座ったとき、2つの窓を通して外を眺めることができる。窓の向こうに植えた南天の木もだいぶ大きくなった。窓を通して感じる季節や風景は唯一無二だと思う。

↑ 完成したキッチンスペース。椅子はHALFMOO FURNITUREのオリジナルchairc01とchair02。

私たちは食器や調理器具を多くは持っていないので収納は少なめだけれど、今は工夫しながら使っている。足りなくなったら、どこかに棚を増やしてもよいかもしれない。生活の変化によって、色々と変えていくのも楽しいと思う。

今までシンクの中には使った食器が山積みになることがよくあったけれど、このキッチンになってから食器をすぐ洗い片付けるようになった。ダラシがない私がそうなるんなんて、自分でも驚いている。家具や空間のあり方によって、生活する人の行動が変わるということがあるんだなぁと実体験を持って感じている。

改修して数年経った今もキッチンスペースにいるのはとても気持ちがよいし、楽しい。

(その4 へと続く)

kumiko