
2頭の犬(Rとマイカ)と暮らす大塚友野さんのところは僕たちの犬の「木の子」の実家でもある。
6年前の冬の終わり、友野さんが一緒に暮らす犬の「R」と隣家の雌犬「L」の間に5頭の子犬が生まれ、貰い手を探しているという話を友人づてに聞き(というか、その時その友人はちょうどいいのがいると、すでに僕たちのことを紹介していたらしいけれど)、その中の1頭を引き取ることにした。それが木の子であり、友野さんのもとに残すことにした1頭がマイカだ。
以来、東京で友野さんの個展があるときには遊びに行ったり、時々犬の情報交換をする関係になった。
そんな縁で今回友野さんに作品制作を依頼するにあたり、一度高知に伺おうということになり、せっかくの機会だから木の子も一緒に連れて行くことにした。そもそも日頃からどこに行くにも連れて歩いているので、そうでなくても一緒に行くことになっていたのだろうけど。
僕たちにとってもRとマイカに会うのは木の子がうちに来た日依頼。当時Rは1歳、マイカは3ヶ月の子犬だった。その後SNSで見ていたし、話としては聞き知っていたけれど、実際に会った瞬間、その大きさの違いに驚いた。
木の子21kg、Rとマイカは10kg程度。実際の見た目のボリュームも本当に半分だ。顔や表情、仕草はとてもよく似ている。でも存在感が全然違う。。確かに子犬の頃から他の兄弟たちと比べて木の子は明らかに一人大きかった。手足の太さも全然違った。それにしても姉妹でこんなにも違うものか。さすが雑種。
生後3ヶ月で別れた父、姉妹との対面、しかも彼らのテリトリーで。警戒心の強いこの子たちの気質を考えると難しいだろうとは思っていたけれど、予想通りみんな警戒モード。SNSでよく見る陽気な犬たちの平和な里帰りとはいかない。みんな揃って穏やかに集合写真なんて全然無理だった。唯一撮れていたスリーショットは友野さんが撮っていた一枚。木の子の背後で、家の中から警戒するRとマイカ。

子犬の頃によく甘えていた母親なら覚えているかなと思っていたけれど、残念なことに2ヶ月ほど前に亡くなってしまったとの連絡をもらっていた。
まだ残されたままの、木の子たちが生まれた母犬の小屋。

Rとマイカのことは覚えてはいなかったみたいだけど、この場所はなんとなく覚えているのか、それとも単純に野山が大好きだからなのか、木の子は終始ニコニコして高知の山を楽しんでいた。
takashi