
楢材の収納家具を製作しました。
お客様が工房にお越しいただいたのは2年半ほど前だったと思います。自宅を新しく建てている時期で、キッチンとダイニングの間の壁にL型の家具を希望されていました。どのような収納があるとよいかをとても熟慮されていて、引き出しやティッシュ、ゴミ箱の収納など具体的なご要望をいくつかお聞きし、家具のご提案をさせていただきました。

〈1案目〉

〈2案目〉
2案目をベースに何度かやりとりをしながら、更に機能性を充実させていきました。
上部には浅めの引き出しを横並びに配置し、下段は左側に大きめの引き出し、他は開き扉としています。また、上と下に段差をつけることで表情豊かな家具になるよう全体の形を整えていきました。
出来上がった構成をもとに、どのような木目にするか、つまみはどうするかなど設置する場所の空間に合うよう詳細を決め、製作へと進んでいきました。樹種は楢材とし、家具全体が木目によってうるさくならないよう、柾目と板目を使い分けています。

家具はオブジェではなく機能を伴うものですが、機能だけを追求するとつまらないものになります。家具が入ることでその空間が心地よくなったり、日常が楽しくなるような提案をしたいといつも思っています。

この家具があることでお客様の日常が少しでも快適に豊かになってくれたら嬉しいです。
kumiko