去年の十月からはじめた月に一度の工房オープン日。
初めてのお客様が来てくれたときのことを今でも時々思い出す。
工房の展示スペースを整え、家具を配置して、あまり埃の立たない作業をしていた。
日曜日の午前、機械を回さずに音楽を聴きながら静かに作業するのも心地良いものだ。
日曜日の午前、機械を回さずに音楽を聴きながら静かに作業するのも心地良いものだ。
しばらくして工房の前に車が停まる音を聞いて妻と顔を見合わせた。
「誰か来た。」
「どうしよう。」
オープンと謳っておいて「どうしよう」というのもおかしな話だけれど、こんな寺家町の一番奥の工房を目指してお客様が来てくれるということがうれしいと同時に、どこか信じがたく、こちらのほうがどぎまぎしてしまったことを覚えている。
少しの時間だったけれど、この日のために益子で買ってきた器でお茶を飲みながら、家具の話やアーミッシュの話などして過ごした。
「誰か来た。」
「どうしよう。」
オープンと謳っておいて「どうしよう」というのもおかしな話だけれど、こんな寺家町の一番奥の工房を目指してお客様が来てくれるということがうれしいと同時に、どこか信じがたく、こちらのほうがどぎまぎしてしまったことを覚えている。
少しの時間だったけれど、この日のために益子で買ってきた器でお茶を飲みながら、家具の話やアーミッシュの話などして過ごした。
それから数ヵ月後、そのお客様から仕事場の打ち合わせテーブル製作のご相談をいただいた。木の天板にスチールの脚という大まかなイメージから天板の樹種、サイズ、形状、脚の構造等、打ち合わせを重ねて詳細を詰めていった。



お客様との対話があってこそ生まれた形。シャープさと柔らかさが共存するテーブルに仕上がった。
takashi