ナラ材壁面棚板

壁面棚 ナラ材

 

ほんのちょっとしたものだけれど、それがあることでものが生き生きとして、なんとなく楽しい気持ちになることがある。

今回、茅ヶ崎市のお客様からのご依頼で製作させていただいた壁面の棚板もお客様にとってそんな存在になってくれたと思う。

 

ものの素材そのものにどうしようもなく惹かれるというお客様のキッチンには、木や陶、ホーロー、鉄などで作られたポットや急須、器などお気に入りの道具たちが並んでいる。そんな道具たちの居場所を壁面に作りたいとのことから壁面に棚板を作らせていただくことになった。

棚板には特有の虎斑が出るナラの柾目材を使い、その素材を最大限に活かせるように仕上げていく。さらに鉄そのままの風合いを活かした転び止めを製作して取り付けた。

 

それ自体には複雑な構造も飾りもない、たった2枚の棚板。壁面に取り付け、ものを並べてみるとそのものたちの存在が際立ち、生き生きとして見えた。

後でお客様から聞いた話によると、取り付けを終えて僕が帰った後、棚にものを並べながら、うれしすぎて本当に小躍りしてしまったのだとか。

 

自然の素材に、その魅力を最大限に活かすための最小限の手を加える。それが空間の中でものの居場所をつくり、空間全体が生き生きとして、そこで過ごす時間が少し楽しいものになってくれたら。それはとても豊かなものづくりの形なのではないかと思う。

シンプルだけれど、とても印象深い製作になった。

 

takashi