ガラスショーケース

以前からガラスケースには魅力を感じている。

ガラス越しに見えるもの。視線は遮らないけれど、意識は適度に遮るところがいい。

そっと扉を開けて棚にものを置くとき、いつもより少し丁寧になる感じとか。

今回、寝室に自動車模型を飾るためのショーケースを製作させていただいた。

内部にはダウンライトを設置、背面は鏡貼りという仕様で製作した。

ガラスショーケース

お客様の模型コレクションが飾られ、日々寝室にやわらかい明かりを灯してくれるといいと思う。

takashi

オークダイニングテーブル

オークダイニングテーブル

工房オープン日にお越しいただき、最初のご相談をいただいてから約4か月、何度となくプランのやり取りをしてきた。

新築中のご自宅にご購入予定のウェグナーの椅子に合うダイニングテーブルを検討しているとのご相談から、椅子とのデザイン的、機能的な相性、ご家族の生活スタイルの中でのダイニングの役割など様々なことを考えながらプランを詰めてきた。

時間を置きながらゆっくりとしたペースでやり取りを重ねるにつれて、だんだんお客様が目指しているものと僕たちのいいと思うものが重なり始めてきた感覚があった。

オークダイニングテーブル オークダイニングテーブル

お引越しの日の夕方、納品に伺った時、ご購入されたアンティークのウェグナーCH23をはじめ、お持ちの家具がすでに搬入されていた。無垢の木材をふんだんに使った温かい雰囲気の家、オーク材を中心としたシンプルなインテリアにお客様の日常に対する丁寧なこだわりを感じる。ダイニングテーブルはその空間に、ウェグナーCH23に、そしてお客様の雰囲気にとてもよく合って見えた。家具を納品し、それが工房にあった時よりも生き生きと見えた時、とても嬉しい気持ちになる。

takashi

メープルダイニングテーブル

以前製作させていただいた家具にご満足いただき、さらなる期待を込めてご注文いただいたダイニングテーブル。

必ず超えなければいけないそのご期待にプレッシャーを感じつつも、ご家族の日常の風景を想像しながら、楽しい製作の時間だった。

テラスから大きなガラス戸を通して、長さ2mという大きなサイズのダイニングテーブル全体が真横から見える白を基調としたダイニング空間。サイズ感を活かしたシンプル且つ重厚、でも重過ぎないシルエットの綺麗なテーブルにしたかった。細かい寸法バランスが重要になってくる。製作に入る前に1/5スケールの模型を作って最終確認したところ、図面上で見ていたよりも天板が厚く脚が少し太い印象を受けた。天板を2mm薄く、脚を4mm細く修正して製作に入った。

天板の木取りは、いつもながらに気を使う工程だった。このテーブルに合う木目のイメージははっきりしていた。思うようにいかないこともあり、何度か材料を追加し、材料屋さんの倉庫に自分でも見に行った。最終的にはイメージ通りの良い天板に仕上げることができた。

メープル ダイニングテーブル メープル ダイニングテーブル

お客様には「期待以上だった。」とのお言葉をいただき、本当に喜んでいただいた。

だけど、、もう一つ課題は残っている。。

3年も前から奥様に頼まれている木のトレーをまだ作っていない。

何事にもこだわりが強く、いいものをたくさん見てきていることも知っている。それなのに気に入ったものがないという奥様のご要望に応えられる自信が持てないまま、試作をしては止まり、少し考えてまた止まり、気にはなりつつも延ばし延ばしにしてきたけれど、テーブルができた今、もう先延ばしにするわけにもいかない。そこに合うトレーを6枚作ってはじめて完結する。日々使うもの、奇抜なものはいらない。普通なんだけど感じのいいものにしたい。

難題は続く。。

takashi

打ち合わせ

久し振りに暖かい気持ちのよい日。

今日の午後は家具の打ち合わせをした。私たちとほぼ同い年のご夫婦と3歳の娘さん。

お客様との始まりは夏だった。

今年の夏、工房の外壁を塗り替えた。

暑くなる前にと、早朝から塗り始め、終わったのが9時過ぎだっただろうか。。。

「プルルルルル。プルルルルル。」工房の電話が鳴った。いつもなら日曜日の午前中に工房にいることなんてないのだけれども。

その日の午後、工房にお越しいただき家具のご相談をいただいた。

それから、4か月。

数回の打ち合わせで、お客様のイメージしているものや好みなど共有できることも多くなり、

来年いよいよ製作へと進むことになった。

顔を合わせてお話をすると、見えてくることがたくさんある。

対話の中でより良い案が出てくることもたくんさんある。

これからの製作が楽しみです。

kumiko

表現していくこと。

『木と土』のやじろべぇ

遠い過去の記憶、どこか懐かしい感覚。。。

そういうものを想像しながら、「木と土」で出来上がったもの。

自然のものが持つ柔らかさ。手で作られた優しさ。どこか日本らしいもの。

そんなぽてっとしたもの。

これから色々なことを試しながら、表現していきたいと思います。

kumiko

温かい緊張感

目黒の金柑画廊で広瀬良二作品展「平行線の交叉する処」を見た。

作品はワイヤーを使った立体と、古い本を破った紙に描かれたドローイング。

どの作品も緊張感のある繊細な線がとても印象的。それなのにどことなく温かい安心感を感じる。
                                                             
作家の広瀬良二さんの佇まいがまた格好いい。飾り気のない穏やかな優しさが鋭さを包み込んでいるような柔らかい雰囲気。
(大変失礼ながら最初、その方が広瀬さんとは気付かず、画廊のおじさんかと思ってしまった。。)
自然体で自分の思うものを純粋に追求してきた結果が、もしくはそのプロセスが「今」ということなのかな。
                                                              
とにかく、作品も作家さんご自身もとても格好良いです。
金柑画廊での作品展は今日が最終日でしたが、どこかで名前を見つけた際は是非。
お勧めです。
                                                             
takashi

庭に書庫のある家 母屋リフォーム

庭に書庫のある家、母屋リフォーム工事に伴い造作家具の製作を担当させていただいた。

2年前の書庫の新築工事に引き続き、設計は植本計画デザイン一級建築士事務所。設計段階の打ち合わせから参加させていただき、お施主様のご要望、設計の意図、施工会社、家具製作それぞれの立場からの意見をお話ししてのスタートとなった。
                                                            
家具工事として今回担当させていただいたのは、キッチン、リビング壁面本棚、玄関収納、レコード棚、勝手口収納。お施主様がお住まいのままの工事だったので、まずはキッチンまわりから仕上げることとなり、大工さんが古いキッチンを解体し、新しく壁を立てたりという建築工事と同時進行で新しいキッチンと吊り収納の製作は始まった。壁ができた後に実測の上、製作という場合と違い、現場の大工さんと家具製作がコミュニケーションをとりながら、同じ目的を持って進まなければ綺麗に収めることはできない。その意味では今までにも何度か一緒に仕事をしている現場監督の戸谷さん、大工の菊地さんにとても助けられた。製作途中にも度々現場に行っては、戸谷さんや菊池さんと打ち合わせをしながら、壁の位置や厚みを出来上がってきた家具の寸法に合わせて調整してもらったり、家具の寸法、収め方を現場の寸法に合わせて変更したり。現場と工房、それぞれの場所で同じ方向に向かって進めることができた。
                                                             
オーダーキッチン
                                                            
オーダーキッチン
                                                            
古いキッチンとは形、配置も変わり、新しいものはL型。天板は真っ白の人造大理石、本体は奥様のご要望から青の塗装仕上げ、両面使いの部分のお部屋側は壁と合わせたシナ材で製作した。上部は全て開き戸の収納。
                                                            
リビング壁面には、真向かいの庭に見えるガラス張りの書庫との対比がわくわくするような、壁一面の大きな本棚。扉は部屋の壁からの流れがつながるように床から高さいっぱいまでのシナの扉が8枚。壁とのつながりを大切にするためにハンドルをつけず、プッシュオープンとした。
                                                            
壁面本棚
                                                            
壁面本棚
                                                            
玄関には長さ4mを超える収納。
                                                            
オーダー下駄箱 玄関収納
                                                            
ワークスペースにはLPレコードのサイズに合わせた吊り収納。ここからも向かいには庭の書庫が見えている。
                                                            
吊り収納
                                                            
最後に勝手口収納。床から天井まで一杯の高さで収納量を確保しつつ、勝手口からの動線を妨げないように台形で製作した。
                                                            
勝手口収納
                                                            
勝手口収納
                                                            
建築と家具、そして庭の書庫、全てが一体となり、お施主様ご夫婦の特徴あるライフスタイルにぴったりと合った住空間に仕上がったと思う。これからキッチンに食器や調味料、調理器具が置かれ、本棚には本やCDがびっしりと入り、LPレコードが並ぶ。リビングにはご夫婦と小さな犬が行き来し、大きな窓の外には庭の書庫の本が見えている。建築も家具も綺麗に仕上がった瞬間が完成ではなく、物が入り、生活の場になって始めて生きてくるものだと思う。2年以上かけてゆっくり作り上げられてきたこの家のそんな姿を想像するととてもわくわくする。
                                                           
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フィジー

リオデジャネイロで勝ち取ったフィジーの歴史的な金メダル。それを持ち帰った選手たちの姿がなんとなく目に浮かぶ。

それぞれ出身の村にメダルを持ち帰る。僕が住んでいたレケティ地区のように未だに電気が通っていない村の出身選手もいるだろう。
村に帰るとまず酋長の家に報告に行く。表ではピオとかサイモネとかセミシとか、そういった名前の若者たちが一頭の牛を潰し、きれいに解体してゆく。女性たちは地べたに座り込んで大声で談笑しながら、やしの実を削ったり、掘ってきたタロイモを洗ったり、のんびり料理の準備をすすめている。
日が暮れると村中の男たちが酋長の家に集まってきて、ランタンの火を囲み、カバを囲んでパーティが始まる。金メダルはいろんな人たちの手に渡り、みんなが酔っ払い始めた頃には首掛けリボンは村人たちの手垢で真っ黒になっている。大人が一通り触った後は子供たちの番だ。1人の子が首から提げて外に走り出る。それを大勢の子供たちが追いかけまわし、いつの間にか2チームに分かれた子供たちはメダルをボール代わりにラグビーの試合を始めてしまう始末。真っ暗闇を裸足で走る子供たちの声が響き渡り、興奮した犬たちまでもが一緒になって走り回っている。頭上には天の川がくっきりと見えている。
ようやく選手のもとに戻ってきたときには、メダルは泥だらけ、リボンの輪っかは根元でちぎれて一本の長い汚い紐、というありさま。大人たちは(本人さえも)それを見て笑い転げている。こんな感じでそのうち無くしちゃうんだろうなあ。                                                                                      
そんなことを想像しながらつくづくよかったな、と思う。                                                                                                            
takashi

キャビネット

チェリー材のキャビネットを製作しました。

今回は本体と引戸の扉に『ロータリー』の突板材を使用しました。

ロータリーは丸太を回転させながらスライスするため木目が繋がっているのが特徴です。

3x8の突き板合板の木目とにらめっこ。この家具の顔になる扉にはどこの部分を使用するかを考えながら歩留まりのいいように割付していきます。ロータリーの突き板を使うのは今回が初めてだったので、いつもとはまた違った気持ちで製作しました。

チェリー材は経年変化で色がどんどん濃くなる樹種です。もっと深く渋い色になってくると思います。

キャビネット

シンプルなだけに、ミリ単位で全ての寸法を細かく検討したキャビネット。

とても魅力のある「アメリカンチェリー材のロータリー」で家具製作の機会を頂けたこと、とても感謝しています。

今年は猛暑になりそうですが(既に工房は38℃になります。。。)、冬を想像しながらこの夏も乗り切ろうと思います。

kumiko

マルシェ準備

明日のマルシェのための準備をしていたら。。。もうこんな時間。。。

今回は ”折りたたみスツール” や ”モビール” を新たに製作しました。

このマルシェでは時々いや、もっとかな。”特価”で小物やスツールを販売しています。

フォールディングスツール 折りたたみスツール

本革とオーク材のスツール。玄関に置いて、靴を履くのにとってもよい感じだと思います。

折り畳めるので気軽に持ち運び出来ます。運動会などでも活躍しそうです。

kumiko

少しずつ。少しずつ。2。

7月3日 日曜日。早朝4時起床。

この日は工房外壁の色塗り!と決めていたので、暑くなる前の午前中に作業をした。

少し、綺麗になったかな。 みどりから青になりました。

kumiko

少しずつ。少しずつ。

昨年の冬の風景。

今年の始め、ここにプレス機を入れました。

少しずつだけれど、限られた空間の中で作業がしやすい環境を作っていき、

少しずつだけれど、何かが伝わる空間を創っていきたいと思っています。

kumiko