椅子 – 試作から試作へ

HALFMOON FURNITURE  オリジナルの椅子。

試作の椅子から数カ所修正し、製作方法や強度の確認のため、更に試作を製作。
何度も何度も改良し、少しずつイメージの形と座り心地になってきた。
(ような気がします。。。)
kumiko

ciao

 

“ciao”  激安でget ! 

行動範囲が広くなる! ふふっ。                kumiko

コーポラティブハウス2

以前、コーポラティブハウスの家具についてブログを書きましたが、今回は同じコーポラティブハウスの別の住戸に納めた家具についてご紹介させて頂きます。

「白と濃い茶色の空間」というのがこの住戸の特徴ということで、造り付けの家具は樹種の色自体が濃茶であるウォールナット材をご提案させて頂きました。
造り付け家具
リビングの壁面には約5.6メートルの長さの吊り収納。その下には3メートルほどのデスク。
吊り収納は木目をつなげ、ウォールナットのおおらかな木目を生かした作りにしました。
廊下と書斎部屋を仕切る間仕切りの機能をもった、薄い本棚。
一部に転倒防止の鉄の丸棒を取付けています。
今回、製作前にお客様に工房にお越しいただき、ウォールナット材の板目や柾目の使い分けなどの意匠的なことや、お客様が大切にするところを直接お会いしお話をできたこと、
また製作の場を見て頂くことで、ものが作られるということを少しでもお客様に実感して頂けたと思います。打ち合わせは数時間でしたが、とても有意義な時間となりました。
全ての工事が完了した後、追加でTVボードの製作依頼をいただきました。
TVボード納品の際、ものが納められそこに馴染んでいく家具を見ながら
ほっとしたのと同時に、とても長かったこの現場が無事終わったんだなぁと実感しました。
優秀な現場監督と職人さんたちの仕事に対する姿勢、厳しさのなかにも人への配慮のある
雰囲気のいい現場で仕事をすることができ、色々な面で勉強させていただきました。
ありがとうございました。
kumiko

椅子

HALFMOON FURNITUREでは現在、オリジナル椅子の試作製作をしています。
建築の勉強をしていたころ、敷地を見て視界が抜けるところ(空だったり、緑だったり)に窓を設けたり、風景を想像しながらよくプランをしていました。
ソファに座ったときに見える風景。
そのような風景を想像したとき、視界を遮らない椅子(視界が抜ける)は、
気持ちのよい空間をつくる一つの方法なのかなと思います。
視界を遮らないけれど、存在感のある椅子。
そして「腰掛けるための家具」なので、座り心地や構造がしっかりしている椅子。

試作の椅子に何度も座り、何度も眺めて改良する日々です。
kumiko
 

日常

 昨日、ご近所に住んでいるお客様が突然工房に来てくれた。

いつも何かと気にかけてくれるご夫婦。
久しぶりに会い、この数ヶ月間の話をし、時の流れを感じつつ
わたしたちはとっても嬉しい気持ちになった。
「Uさんたちに会うと、なんかほっとするね。」
「なんか親戚みたいだね 笑」
二人が帰ったあとの私たちの会話。
そんなお客様が近くにいて、時々お会いできることが何よりもエネルギーになる。
kumiko

お仏壇製作

シンプルな現代仏壇を、とのご依頼をいただいたのは、元家具職人で、僕が最初に勤めた家具工房でお世話になった方と、奥様からだった。経験豊かな元職人さんからのご依頼ということもそうだけれど、それ以上に久しぶりのご連絡がとてもうれしかった。
メールでのやり取りで、いくつかのプランを作成し、工房で一度、さらにご自宅にお邪魔して、と打ち合わせを重ね、最終プランが出来上がり、製作へと進んだ。

ご夫婦が大切にされている二棹の古い桐箪笥の間に設置するとのことで、和の雰囲気にも合うような、シンプルなデザインにした。お仏壇部分の框扉には部屋の壁に合わせて、漆喰塗りの鏡板をはめ込み、内部にはダウンライト、三段棚、膳引きを作りつける。
ナラ 仏壇
ナラ 仏壇
漆喰部分の製作は妻が担当し、沖縄の白土をベースに石灰、珪砂を混ぜ、素材作りから始め、コテで平滑に押さえながら塗っていく。コテ目を残さないように、しっかりと押さえて平滑に仕上げられた左官の仕上げが好きだ。平らで均一な中にも奥行きとやわらかな風合いがある。
ナラ 仏壇
ナラ 仏壇
お仏壇という、ご家族の想いの詰まったものだけに、製作の日々はとても緊張感のあるものだった。その分、納品、設置をした時のご夫婦のご様子、二棹の桐箪笥の間に馴染んでいる姿にとても安心した。
takashi

VWマグネット

打ち合わせが終わり、荷物をまとめていたとき、
「小栗さん、ワーゲン乗ってるから、これ見つけたとき買っちゃいました。」
と、ご主人が小さなものを差し出してくれた。

お、かわいい。
駅へ向かう道、ポケットの中のころころとした小さな存在感にとても暖かな気持ちになった。
今は工房のデスクの上、愛らしい姿でカードを挟んでいる。
これから本格的に製作準備に入る、キッチンとリビング間の間仕切り収納。お客様とのやり取りを重ねるに連れて、製作が楽しみになってくる。
takashi 

木工ワークショップ

今日、月に一度の工房オープン日に合わせて、木工ワークショップを開催した。

去年、茅ヶ崎のマルシェに出店していたときに初めてお会いした、日本人とオーストラリア人のご夫婦。今回、ご主人のご両親がオーストラリアから来ているので何か思い出に残るようなことを体験させてあげたいとのご相談を奥様からいただいての開催となった。

参加者はご主人のジェフと、お父様のデイビッド(と、時々ジェフの2歳の娘さんもお手伝い)。2人がそれぞれ材料を選ぶところから始めて製作したオリジナルのカッティングボード。約3時間に渡る製作はとても楽しいものになった。
木工ワークショップ 外国人
ジェフはウォールナット材、デイビッドは日本の桜材を選び、荒木の材料から好みの厚さまで削り込む。それぞれにデザインを決め、成形、仕上げへと進んでゆく。
木工ワークショップ 外国人
木工ワークショップ 外国人
「うまい。」とか
「完璧だ!」とか言いながら。
木工ワークショップ 外国人
仕上げるほどにきれいになってゆく木の表情に、2人ともとてもうれしそうだったのが印象的だった。最後にジェフは革紐と真鍮プレートを、デイビッドは真鍮丸棒とプレートを合わせて完成した。真鍮プレートにはそれぞれ刻印を。デイビッドのSAKURAとだけ打刻された短いプレートが、彼の大きな体とアンバランスで、なんともかわいらしい。
木工ワークショップ 外国人
実はこれはデイビットへの誕生日プレゼントでもあったのだそうだ。
「チョコレートとかのプレゼントにはもう飽きたよ。こういうのはとてもいいね。チョコレートよりもずっと長持ちするしね。」
とデイビット。
木工ワークショップ 外国人
お2人とも、すごく楽しくて、しかもこんなに素敵なものができてとてもうれしいと言ってくれた。僕たちの方こそとても楽しく、いい時間を過ごさせてもらった。
家族みんなで車に乗り込んで帰って行く幸せそうな姿を見送りながら、こういう時間は、ものづくりの純粋な楽しさや豊かさを思い出させてくれるものだなと思う。
takashi

コーポラティブハウス 1

世田谷区の閑静な住宅街に「コーポラティブハウス」が完成した。
全13住戸、それぞれ間取りも仕様も異なるとても個性的な集合住宅。
その中の4住戸の造作家具を製作させていただいた。
設計の方とお客様に工房まで来ていただき、打ち合わせをしたのは、もう10ヶ月ほど前のこと。それぞれのお客様が完成を楽しみにしていた姿が、最近のことのように思う。
その中のひとつ。
北欧好きのお客様の住戸。玄関に楢材の下足入れ、リビングとキッチンには楢材と白の組み合わせの吊り収納と、デザインを合わせたTVボードを作らせていただいた。
設計のねらいとお客様の大切にしていることを考慮し、より綺麗にみえる製作方法や木目、樹種の色味を常に意識しながらの製作となった。
造作家具は建築空間と一体化して完成となる。
工房で見ていた以上に、そこに納まった家具たちは雰囲気よく佇んでいた。

オリーブ色の壁と楢と白。
とても素敵な住空間作りに参加させていただいたことに感謝します。
kumiko

天板木取り

削り込むほどに嬉しくなってくる。

若いご夫婦のためのダイニングテーブル。今回は厚めの天板のどっしりとしたデザインだけに、ある程度幅の広い材をハギ合わせて存在感のある板にしたいと思っていた。イメージ通りか、それ以上の木取りができた。いい材料を削っていくほどわくわくするものはない。
いつまでも眺めていたくなるほど、あたたかい気持ちにさせてくれる。
知識が深く、親身になってくれる材料屋さんとの出会いによるところが大きい。
素材の魅力を最大限に引き出せるよう丁寧に仕上げていこう。
takashi

オーディオラック、キャビネット

製作の記事を書かなければ書かなければと思いながらいつもなかなか書き出せない。
日々のことなのだから日記のように気軽に書けばとも思うけれど、なかなかそうもいかない。

特注家具の場合、お客様の思い入れが強い分、いざ書こうと思うとこちらも肩に力が入って手が止まる。そんな調子で一向に記事にならないまま時間だけが過ぎてしまう。

去年製作させていただいたオーディオラックとキャビネットもそんな家具の一つだ。
御夫婦でチェロを弾き、長年愛用されているオーディオ音楽を楽しみながら日々の暮らしを大切にされているそのお客様から最初にお電話でお問い合わせをいただいてから、実際に製作に入るまで何度打ち合わせを重ねただろう。
お問い合わせの内容は、愛用されているオーディオ機器のラックと、レコードを収納するためのキャビネットだった。デザインはいたってシンプルなもので、無垢材のものにこだわりたいとのことだった。こちらで作成したラフのプランをもとに、材料の選定、各収納スペースの細かな寸法、板厚を打ち合わせを重ねながら調整してゆく。さらにはお客様からのご提案で、お客様自ら用意されたオーディオ用のスパイクとスパイク受けで家具全体を支持し、振動の伝達を制御したいとのことだった。打ち合わせを重ねるたびに、お客様の音響に関する深い知識と探究心に好奇心をくすぐられていた。
製作が始まり、今回使うウォールナットの荒材を工房中に広げ、どの材料をどの部分に使おうかとあれこれ考えながら木取りしてゆく作業はとてもわくわくするものになった。同じ材料を使っても木取り次第で全く違う表情のものになってしまう。この家具をどのように使うのか、どこに置かれてどの部分が一番よく見えるのかなどイメージしながら木目の向き、どこで切るかを慎重に決めてゆく。
製作中も何度か御夫婦で工房に見に来てくれた。材料としての木から、家具が作られてゆく過程をとても楽しんでいただいている様子だった。
雑談の中でお客様がイタリアの工房で作ってもらったというチェロのお話から、さまざまな楽器製作者のこと、楽器用の木材のこと等々興味深いお話をたくさん聞かせていただき、こちらのほうが勉強させていただいていたような気がする。
オーディオラックとキャビネットが完成し、追加でご依頼いただいたチェロの弓立てを仕上げながら、この製作が終わればこれまで何度も来ていただいていたお客様も工房に来なくなるのかと、少し寂しくなるなと思う。
納品すると早速オーディオ機器をラックに収めてゆく。機材を収めるために作ったもの、やはり機材が入ってこそ生きるものだなと安心する。キャビネットも思った通りの雰囲気で佇んでいた。
一通りセットし終わると、ソファに座り、早速音楽を聴かせていただいた。正面左右には初めて見る平面バッフル型スピーカー。真空管アンプとの組み合わせで低音から高音、微細な音まではっきり再現されているのがよくわかる。特にレコードの音源は 柔らかく、深い響きで、いつまでも浸っていたいほど心地良い体験だった。
先日、久しぶりにお客様が工房に立ち寄ってくれた。オーディオラックの機材の下に銅板を敷いたとのことで写真を見せていただいた。お客様は、家具は納品された時が完成ではなく、そのときが始まりだという。僕もそう思う。
「これから10年かけて育てていきますよ。」
帰り際にとても嬉しい言葉をいただいた。
takashi

sii house

辻堂駅の西口から小道を歩いていくと、
ランタンが吊られた雰囲気のいい看板が見えてくる。
「カレーと家具」   sii house
友人夫婦が、欧風カレーのお店をはじめた。
築60年の古民家をご夫婦2人で改装。
改装中何度か顔を出すと、いつも楽しそうにお店作りをしている2人。
壁の解体から塗装や家具作りなど全てを自らの手で仕上げる2人の姿を見て、
わたしたちも楽しい気分になり、完成を心待ちにしていた。
先日、オープンしたお店に行ってきました。
とても雰囲気のいい空間に素敵なご夫婦。カレーは絶品。
なんだかそこにいくと幸せな気分なる。
「sii house 」はそんな素敵な場所です。

 

とても丁寧に作られたカレーは深くやさしい味がします。    kumiko
****
sii house
神奈川県茅ケ崎市浜竹3-2-25