家具修理のご依頼を時々いただく。思い入れのあるものを古くなっても修理して、さらに長く使っていくということはとても豊かなことだと思う。
そして、そのような方が確実に増えてきていると感じている。修理のご依頼、ご相談を頂くたびにぼくはとてもうれしい気持ちになる。
以前、長く使われているダイニングチェアの接合部のガタツキを修理し、さらに古い塗装を一度剥がして、木の風合いを活かしたオイル仕上げに変えて欲しいとのご依頼を頂いた。

ゆるくなった接合部を一度全て分解して古い接着剤を取り除き、接合の堅さを調整してパーツごとに組み立て直す。



古い塗装を剥がして、オイルで仕上げるととても柔らかく、温かい風合いになった。長く使われたものには新しいものには持ち得ない雰囲気がある。
先日、やはり古くなって接合部にガタツキが出てしまったダイニングテーブルの脚とイギリス製のネストテーブルの修理させていただいた。


今回も一度接合部を全て分解、調整し、組み直してゆく。






最後に剥がれかけていた塗装を補修して完成した。
見知らぬ土地で見知らぬ職人さんが作った家具が様々な物語を経て僕たちの工房にやってきて、またお客様の元に戻ってゆく。なんとわくわくする仕事だろう。
昨日、また一脚の古い椅子が僕の工房に運び込まれて来た。見たところ重症だ。お客様にとって思い入れのあるとても大切な椅子だと言う。なんとか綺麗に直して戻してあげたい。
takashi