blue maple stool

 

「こんな生地の色がいいな。」
私たちが以前つくったキッチンスツールを気に入ってくれたRちゃんより
彼女の好きな「ブルー」の色の座面でスツールを作って欲しいとの依頼をいただきました。
落ち着いた感じのみずいろ。
自分の好きな色を家具に取り込むというのは、オーダー家具のひとつの楽しみでもあります。
世界にたった一つのキッチンスツールとなるのです。
以前は脚をナラ材でつくったのですが、座面の水色に合わせ、彼女は「maple」を選びました。
mapleはピンクがすこし入っているような、とても品のある奇麗な白色の材種です。
木材に限らず、自然のものはとっても色が深く、単純に白とか茶色では表現しきれません。
吉岡幸雄氏著書の「日本の色辞典」という本があります。わたしたちは白、赤と表現しがちですが、
もっと色を表現する言葉は多くあります。古来より自然の色を尊ぶ日本人としての心を忘れてはいけないですね。この話はまた後日。。。

 

よりよいフォルムにするため、数カ所改良をし、このスツールにとってはじめての
「blue maple」バージョンができあがりました。
できあがったスツールは、不思議とRちゃんらしいものになりました。
とても品があって奇麗なスツールです。
依頼をもらってから1ヶ月後。
Rちゃんがいる函館にこのスツールは旅立ちました。
無事届いたスツールを手にしたRちゃんより、こんなメールを頂きました。
 『本日スツール届きました~!
  とっても素敵でしっかりしていてすごくうれしいです。
  自分で選ばせてもらったし、くっぴー夫婦につくってもらったので、
  まだ手にしたばかりだけど、やはり他の家具に比べたら思い入れがありますね。
  自分でいうのもなんだけど、私らしいなと思いました☆』
このメッセージを読んで、とっても嬉しかったと同時に心が浄化されました。
これから5年間、タイで暮らすRちゃん家族。
そんな家族と共に時を過ごしているblue maple stool をわたしは時々思い出すことでしょう。
わたしにとってのもうひとつの世界ができました。
kumiko