AVボード、キャビネット製作

雰囲気のある古いマンション。
リビングとダイニングには、気に入ったものを、
少しずつ買い足しているという家具たちが自然に
配置されている。
気に入ったものを少しずつ。
なんと、心地のいい響きだろう。
ここに、新たにAVボードとキャビネットを
作らせてもらうことになった。
ダイニングテーブルに図面を広げ、最終的な打ち合わせをして、
細かい仕様やおさまりを決めていく。
風邪をひいたらしい小さな息子さんが、おでこに冷えピタを貼って、
ソファに寝転んでいる姿がなんとも愛らしい。
それは製作中、何度も頭に思い浮かべた、家族の日常の風景だった。
納品後、お客様から、息子さんが引出しを何度も開け閉めしては、
「おねえちゃん、上手。」(妻が1人で作ったと思っているらしい)
と、手を叩いている、との連絡をいただいた。
小さな子供にも、新しく「買ってきたもの」ではなく、
僕たち(妻?)が「作ったもの」だということがちゃんと
伝わっていてくれたことが、うれしかった。
作った家具が、日常の風景の中に溶け込んでいる姿を想うほど
幸せなことはない。
takashi