子供の椅子

ダイニングチェア ウォールナット

 

以前、二人のお子さんたちのために椅子を製作してほしいとのご依頼をいただいた。

お子さんのための椅子とはいってもいわゆる子供椅子ではなく、half moonオリジナル01chair、しかも座面は本革張りでとのことだった。

そしてこの度、第三子のご誕生に合わせて新たに一脚、製作のご依頼をいただいた。

 

家具を選ぶ場合、子供が小さいうちはあまり高価なものは使わず、ある程度成長してから気に入ったものを探そうと考えるのが一般的だと思う。でも今回のお客様は全く違う考え方だった。もちろん、キズつけることもあるだろうし、汚すことだってあることは承知の上で、大人になっても使える椅子をプレゼントして子供のうちから使わせてあげたいとのことだった。素敵な考え方だと思った。

 

 

6年前に、ある作家さんの古い椅子を修理したことを印象深く覚えている。(作家の椅子1作家の椅子2) それはその作家さんが小学生の頃にお父様から贈られて以来、50年もの間使い続けているものだった。その間、何度も新しいものに換えようとはしたものの、どうしても馴染まず、結局いまだにその子供用の椅子で文章を書いているとのことだった。50年の間に含んできた風景が、何にも変えられないその椅子の価値だと思う。そんな宝物を持っていることがうらやましいと思った。

 

 

これから年月をかけて作り上げていく物語の贈り物。それをどう展開させてゆくのか、どこかで終わらせるのかは本人次第だけれど、その物語をはじめてあげることは、親から子への素敵なプレゼントだと思う。

 

takashi