菊地成孔ペペ・トルメント・アスカラール

久しぶりにblue note tokyoに出かけた。菊地成孔ペペ・トルメント・アスカラールを聴きに。

 

それにしても今月のブルーノートはすごい(少なくとも僕にとっては)。最初はBuikaの公演が1日だけあることを発見、これは絶対に行かなくてはと思ってスケジュール表をなんとなく見ていると、なんとその前日まで3日間Roy Hargrove、翌日からは2日間、菊地成孔ぺぺ・トルメント・アスカラールの公演予定が入っているではないか。。全部行きたい。。でも、連日では記憶が薄まるからBuikaだけにしようと興奮気味の僕に対して妻は、いいよ、とは言いながらもなんとなく覚めた様子。あれ、と思い、よくよく聞いてみると実は菊地成孔を聴きに行きたいのだという。そうかと思う。ぺぺ・トルメント・アスカラールは僕にとっても、数ある菊地成孔のプロジェクトの中でも一番好きなバンド。あっさり予定変更。ぺぺに決めた。

 

僕にとっては二度目、妻にとっては初めてのぺぺ・トルメント・アスカラールのライブ。以前観たオーチャードホールでのライブは素晴らしく音が良かった。11人編成の複雑に絡み合う全ての楽器の音がはっきりと聞こえていたのを覚えている。

今回はブルーノート。狭い会場で見られるのもとても楽しみだった。会場に入ると平日の1st setだったということもあり、菊地成孔のライブとしては珍しく空席が目立っていた。一番安い自由席で予約していたけれど、空席があったのでプラス¥1,000払ってステージ前のアリーナシートへ。

11人がずらりとステージに上がる。このバンドのそうそうたるメンバーの中でも群を抜いた演奏力の持ち主、日本を代表するパーカショニストの大儀見元さんも復帰している。しばらく固定されていなかった(お金がなくて雇えなくなっていたらしい)1st,2ndバイオリン、ビオラ、チェロの4人のストリングスも今回のツアーから再び正規メンバーとして固定されたという。菊地さん曰く、バンドはとてもいい状態だそう。

 

一曲目からすっかり引き込まれていた。曲目は「南米のエリザベステイラー」以降4枚のアルバムからの抜粋。聴きたいところが次々と演奏された。

それにしても菊地成孔は日本人のジャズミュージシャンとして、世界のどんな巨匠たちと並んでも引けを取らない唯一無二の魅力を持った稀有な存在だと思う。決して世界の一流とは言えない彼自身のサックスの演奏力や歌唱力さえも魅力的に感じさせるほどの独自の世界観を表現できる作曲、構成、アレンジ力、アイデア。世界中の音楽の要素を日本人として取り込み、緻密に作りこんでまとめ上げたクオリティの高さ。全ての楽器の魅力がそれぞれ活かされながら一つの世界が作り上げられている。

ラテンのリズムを生み出す2人のパーカッショニストの目の前でクラシック出身の弦楽四重奏団が演奏していて、それらがどちらかのカテゴリーに寄るというのではなく、全く別次元で融合しているバンドなんて世界中探しても他に無いのではないかと思う。

アンコールを含めて1時間半ぐらいだっただろうか、終始、聴き惚れ、見惚れ、心から思った。格好良い。

 

takashi